戦後の上方落語を復興させた四天王の1人で、15年3月19日に89歳で亡くなった桂米朝さんの長男で、米朝事務所の代表取締役社長、桂米団治(61)が14日、神戸新開地・喜楽館で、父の功績をしのぶ「米朝ウイーク 桂米朝五年祭」(11月2~8日)の取材会を行った。

米朝さんが亡くなって5年の「五年祭」として、8月に大阪・朝日生命ホール、サンケイホールブリーゼで「米朝まつり」が開催され、天満天神繁昌亭でも特別昼席公演を行った。喜楽館から「ぜひうちでも」と声がかかり、11月6日の米朝さんの誕生日を含めた1週間での開催に至った。米団治によると、米朝さんは終戦直後、神戸で鍋を売る仕事をしていたといい、「神戸にもゆかりが。新開地で1週間できることはうれしい」と喜んだ。

11月2~8日の1週間で、1日6席。米団治は初日と3日のトリを務める。2日は米団治の妻の誕生日だと明かし、「これを言っておかないと大変なことになる」と冗談を言った。大変なこととは「日頃の夫婦げんかです。それの積み重ね」と答え、「誕生日は大事にしなければなりません。2日は打ち上げもなしに帰ります。帰ったら嫁さんはパーティーに行ってるかも」と語った。プレゼントを聞かれると、「まごこ…」とかみ「『真心』と言おうと思ったら言葉が…。心にもないこと言うたらあきませんね」と話した。それでも「仲がいいから言える」と夫婦仲のよさをアピールした。

米朝さんの誕生日の11月6日は、米団治は神奈川・逗子文化プラザホールで独演会を行う。「逗子からエールを送る。そこで『地獄八景』やります。米朝を登場させます」と明かした。

10月12日に愛知で行った独演会では、作曲家・筒美京平さん(享年80)の訃報を受けて「地獄八景亡者戯」で、尾崎紀世彦が「また逢う日まで」を熱唱するシーンを作ったという。会見でも歌声を披露。「歌詞も何も見ずに歌えた。小学生のときに覚えた曲って忘れませんね。たぶん11月6日は逗子からそれをお届けします」と話した。