韓国の男性7人組ヒップホップグループ、BTS(防弾少年団)の所属事務所「ビッグヒットエンターテインメント」が15日、韓国取引所に株式を上場した。韓国の芸能事務所としては初の上場となる。

05年設立の同社は、BTSの世界的な人気によって急成長を遂げ、日本では東証1部に該当する同取引所に上場した。初値は1株27万ウォン(約2万5000円)だったが上場と同時に高騰し、一時ストップ高に。終値は25万8000ウォン(約2万4250円)で初値を割り込んだが、現地メディアでは、時価総額が一時、11兆8800億ウォン(約1兆1167億円)に達したとも伝えた。上場を前に、BTSのメンバーもそれぞれ6万8385株を付与されており、約8億円の資産を保有することになった。同社のパン・シヒョク代表は「小さな会社から始め、世界の音楽市場の秩序を再編したと評されるようになった。世界最高のエンターテインメント企業を目指していく」と意気込みを語った。

同社の昨年の営業利益は、韓国の大手芸能事務所3社の合計も上回っている。その売り上げの9割を占めるBTSは、13年に韓国でデビューすると、日本をはじめ、アジアや欧米で人気が広がり、今年9月には最新シングル「Dynamite」が米ビルボードのシングルチャートで、アジア出身で非英語圏歌手としては57年ぶりの1位を獲得した。

現地では、最年長のジン(27)を筆頭にメンバーの入隊期限が近づいており、世界的に活躍するBTSの活動に支障が生じれば韓国経済への打撃になるとの見方から、兵役の猶予措置を拡大する“BTS法案”ともいわれる法改正案も議論されている。

◆BTS(防弾少年団) 13年6月韓国デビュー。14年6月「NO MORE DREAM」で日本デビュー。17年10月には京セラドーム大阪で初のドーム公演。18年9月には国連でスピーチし、今年1月の「第62回グラミー賞」では韓国アーティストとして初パフォーマンス。今月10、11日に開催されたオンライン公演は約190カ国・地域で90万人以上が視聴した。