高橋一生(39)が16日、都内の新宿ピカデリーで行われた映画「スパイの妻」公開記念舞台あいさつで、世界3大映画祭の1つ、ベネチア映画祭コンペティション部門で銀獅子賞(監督賞)を受賞した黒沢清監督(65)から「世界で1番、うまい」と絶賛された。

高橋は劇中で、貿易会社を営み、満州に赴いて偶然、恐ろしい国家機密を知ってしまい、正義のため事の経緯を世に知らしめようとする福原優作を演じた。黒沢監督作品への出演は初めてだったが、同監督は「高橋さんは、舌を巻くほど、うまい。うまいに尽きますね。長くても短くても、せりふが見ている側に飛び込み、頭の中で喚起させる。話しているだけで、光景が浮かぶ。映ってもいないもので、観客の心を誘導する。世界で1番、うまいんじゃないか?」と絶賛した。

高橋は「僕はもう、こんなふうに言っていただいて、思い残すことがない。今日で終わってしまって良いくらい、うれしい。幸福な映画的な時間を過ごして(黒沢監督が絶賛する)途中で『ありがとうございます』と、切ってしまおうかと思うくらいうれしい」と感激した。

席上で、89カ国での配給が決まったと発表された。この日の舞台あいさつ付きの上映チケットは、蒼井優(35)、東出昌大(32)、坂東龍汰(23)が登壇したこともあり、発売から1分で完売したという。