俳優小林稔侍(79)が17日、「京都国際映画祭2020」で、三船敏郎賞を受賞し、京都・よしもと祗園花月から生配信された授賞式に出席した。牧野省三賞は、今年4月に82歳で亡くなった大林宣彦監督が受賞した。

小林は大林監督の遺作「海辺の映画館-キネマの玉手箱」に出演。同作のエグゼクティブプロデューサーを務め、三船敏郎賞の審査員である奥山和由氏は受賞理由を「『海辺の映画館』での存在感がすばらしかった」と説明した。

小林は61年に東映ニューフェースとして映画界入り。「思えば昭和36年の10月末に、京都に初めて仕事として通い始めて、今日、この映画の聖地、都で行われる京都国際映画祭で、みなさまのご厚意で大林組の船に乗せていただいて連れてきていただきました。今日、この思い、感動、感謝を忘れることなく、世界の三船さまの冠の賞をこれからの俳優生活の糧にさせていただきます」と、ゆっくりとスピーチを行った。

三船敏郎賞は国際的な活躍が期待される俳優を表彰するもの。

牧野省三賞は日本映画の発展に貢献した人物に贈られる。大林監督の妻、恭子さんがVTRで出演。「牧野省三さんは監督たちにとっては、映画の父。大林に誘われて、昔の牧野さんの古いチャンバラとか、断片ではありますが、たくさん見た記憶がございます。日本映画の続きをやらせていただきましたことを大変うれしく思っております」と喜んだ。

今年の京都国際映画祭では、特集上映やメイキング映像など、「大林宣彦の玉手箱-ワンダーランドな空想映画館-」が上映されている。