歌舞伎俳優尾上右近(28)が16日、都内で、自主公演「KEN no KAI」(12月24、25日、東京・渋谷のセルリアンタワー能楽堂)に向けた取材会を行った。

クリスマスパーティーと銘打たれた公演で、右近はサンタクロースの衣装で登場。「自分が楽しいと思うことが、いつの日か歌舞伎界のためにつながっていけば。伝統芸能の一端をになうために、まい進する」と決意を語った。演目は「藤娘」と新作「隠~ONU~」。

また、12日に老衰で亡くなった坂田藤十郎さん(享年88)の思い出も語った。

右近は「本当にあこがれの存在で大好きでした。(孫の中村)壱太郎さんとのつながりもその思いを強くしてくれました」と話した。以前、右近が使っていたオリジナルの香水をいいにおいだと言ってくれたため、ラベルに「あこがれ」と入れて、同じ香水をプレゼントしたことがあったという。

「すごく喜んでくれました。お役の格好のまま『今日はこれを持って出ようと思うよ』と言ってくださったことがうれしかったです。たわいもないことかもしれないですが、ふっと思い出せる関わりを持たせていただいたことは、何かを教えてもらったというのと同じくらい大事。泣きそうになっちゃう」と振り返った。