今年はいろいろとあったジャニーズ事務所で、V6が25周年を迎えた。

先日メンバーの井ノ原快彦(44)に取材する機会があり、あらためて四半世紀の思いを聞いてみた。

「いろんな人から(長続きの)秘訣(ひけつ)という風に聞かれるんですけど、たまたまとしか言いようがないんですよね。メンバーおのおのの努力、サポートしてくださるスタッフの力、そしてファンの応援があってのことには違いないのですが、例えば、僕は44歳になったのですが、44歳まで生きてきた秘訣は何かと聞かれたら、たまたま死ななかっただけですと言うしかない。それと同じように思えるんですよね。終わらないから続いてる。何か哲学的な話になっちゃうんですけど」

その気になれば、それらしい話もできただろうに、この「たまたま」という言葉に井ノ原のウソのない気持ちがあるように思った。

V6は年長組3人のトニセンと年少組3人のカミセンを合わせたユニークなグループだ。この18日に最年少の岡田准一が誕生日を迎えて全員が40歳代となる。デビュー時はちょうど中間の年齢の井ノ原がつなぎ役を引き受けていた印象がある。

「デビューした頃の10代、20代の10歳違いは大きいですけど、今は全員40代。自然と感覚の違いはなくなってきましたね」と井ノ原は振り返る。

小紙には「サタデージャニーズ」というコーナーがあるので、たまたま縁の無かった坂本昌行を除き、残り5人はインタビューしたことがある。それぞれに「分野」が違うが、個性的でいい感じに肩の力が抜けてきた印象がある。どのメンバーも興味を持って前向きに取材に臨んでくれるのもありがたい。

ご存じの通り、既婚者4人のパートナーはそろって著名な女優さんだ。その配偶者4人もそれぞれに色合いの違う人ばかりだ。この彩り鮮やかな「集団」が「たまたま」できたと言われたらちょっと抵抗がある。

V6というグループには多彩な個性を巻き込んでいく不思議な求心力があるように思えてならない。【相原斎】