歌舞伎の名門・中村屋を30年以上にわたり追い続けるフジテレビ系ドキュメンタリー番組「中村屋ファミリー2020 待ってました! 勘九郎 七之助 試練と喝采の幕開けスペシャル」が、12月18日午後8時から放送される。

今年、新型コロナウイルスが世界中を襲い、歌舞伎の舞台も3月から軒並み中止という大ピンチに陥った。そんな中、中村勘九郎(39)は「心の栄養になれるよう、もっともっと発信していかなければ」と、中村七之助(37)らと中村屋初の歌舞伎生配信「中村勘九郎 中村七之助 歌舞伎生配信特別公演」(浅草公会堂で無観客)を7月に開催した。選んだ演目は中村屋にとって特別なものである「猿若揃江戸賑・厄払浅草祭」。病明けなど舞台に復帰するときにかけるもので、12年に亡くなった父・勘三郎さん(享年57)も演じた演目だ。

おなじみの大向こうの掛け声にあわせて、チャットには生の舞台では考えられない数の「待ってました!」のコメントが投稿され、画面にあふれた。そして、8月には歌舞伎座の舞台公演が再開、9月には2回目の生配信となる野外公演「連獅子」(浅草寺・五重塔特設舞台で無観客)が行われたが、公演直前に雨が降り出した。

エンターテインメント界が逆風の中、総力をあげてチャレンジを続ける中村屋。幕を上げ続けるために徹底した感染予防対策を行い、いまだに感染者を出していない歌舞伎界。公演では感染予防のため密着カメラが舞台裏に入ることも許されなかったが、定点カメラやZoom、さらには自撮り映像などを駆使して収録した。また、ステイホーム中のプライベート映像も放送される。

フジテレビ情報企画開発センターの西村朗チーフプロデューサーは「このコロナ禍は、歌舞伎俳優、演奏者、舞台を作る職人やスタッフ、皆さんにとって大変な試練です。それでも“お客さまに何か届けなければ!”という“中村屋チーム”の情熱により、ある奇跡のような舞台が生まれます。すべての人々がコロナと闘っている2020年。中村屋の奮闘を是非ご覧いただき、感動を皆さんの活力に変えていただければうれしいです。ご期待ください」と話している。