落語家桂南光(69)が8日、大阪市内で「2021古希記念 桂南光独演会 南光亭」の会見を行った。

来年1月17日の京都・南座からスタートし、6月26日の大阪松竹座まで、兵庫、福岡、東京など、現在21公演が決まっている。還暦記念公演も南座で開催しており「南座だけでいいんですけどね」と笑わせつつ「残り少ない、はなし家人生。しゃべれるときにしゃべっておこうと」と語った。

半年間の古希独演会に「1年くらいやってもいいけどしんどいし…。半年くらいで」と話した。「ウケているか分からないし、お客さんとの間合いでやるので」と生配信は行わない。

還暦から古希の10年で「はなし家になったと思う。自分のネタと言えるものもいくつかできたからやっていこうと思う」と考えている。来年の4月ごろには「まだできていませんが、『半沢直樹』的な落語を考えています」とも明かした。

70年に故桂枝雀さん(当時小米)に入門。芸歴50年を迎え、枝雀さんが亡くなって20年ほどたった。南光は「高校で先生とうまくいかず、就職の世話をしてもらえずに落ち込んでるときに、当時の桂小米さんのラジオを聞いて、落語も知らんと弟子入りに行った」と振り返った。師匠から「向いてるかどうか分かりませんが、将来に明るさはないけど、あなたとはウマが合うからやりますか」と言われ、落語家になった。

はなし家の仕事を10年目くらいで1度辞めようと思ったという。それでも「辞めてしまうと師匠と縁が切れるし、ズルズルときて50年。振り返ると運がいいとしか言えませんね」と語った。

枝雀さんの落語を聞かずに、ラジオで聞いた人間性に魅力を感じて入門。「この人はほんまにいい人。自分とは絶対に気が合うと思った」と振り返った。「実際にそうだった。考え方、価値観、人との接し方…。うちの師匠に教えてもらって、私の大部分は師匠でできている」と感謝。枝雀さんを「特別な天才的なはなし家。亡くなってからも『師匠ならこう思われるだろう』とか考える。師匠はおらんけど、ずっといてはんのと同じ思い」と語った。