歌手小林幸子(67)が17日、都内で「文化庁長官表彰」授賞式に出席した。

黒地に天使をあしらった着物姿の小林は「大変うれしいです。思いがけず、すごい賞をいただいて感激しています。長い間、歌わせていただいて、いいことも悪いこともあったけど、その流れの中で歌だけでなく、いろいろなことをやってきたのを認めてもらったんだなと思う」と笑顔を見せた。

国民栄誉賞受賞の作曲家・古賀政男氏に見いだされて、64年に10歳で「ウソツキ鴎」でデビューして20万枚のヒット。だが、その後は低迷して、79年に「おもいで酒」が200万枚のメガヒットになるまでは引退することも考えたという。

小林は「子供でデビューして、15歳くらいで大人っぽい歌を歌って、20歳くらいになったらアイドル時代になっちゃった。『女神様は、私のことを見捨てたんだな』と。でも、故郷の新潟に応援してくれる人たちがいるから、帰るわけにはいかなかった。人生万事、塞翁(さいおう)が馬。悪いことも、いいこともひっくるめて、小林幸子に賞をくれたんでしょう」と振り返った。

今年1年は新型コロナウイルスの影響でコンサートが中止になった。「みんな収束して、お客さんの前で思いっきり歌を歌いたい。でも、YouTubeで『おうちで歌おう』をやって、歌ったことのなかった歌を歌えた。『香水』も『Lemon』も『全力少年』も歌っちゃった」と声を弾ませた。

来年の抱負については「特になんということはない。抱負よりも、出会った人によっていろいろ方向が変わっていく。だから研ぎ澄ましていたい。巡りあったもので何かできそうな気がする」と話した。

ほかに千葉真一(81)いしだあゆみ(72)春風亭昇太(61)らが出席した。