嵐にゆかりのある人々がメッセージを送る「嵐を語ろう~Arashi talk~」は06年10月から3年半にわたり日本テレビ系「嵐の宿題くん」で共演した小倉智昭(73)です。国民的グループへの成長を見届けた“父親的存在”が、嵐の魅力を語ります。

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彼らはまだ20代前半で、僕が60ちょっと手前。還暦のお祝いをしてもらったのでよく覚えてます。打ち合わせもなく、いくつかの段取りだけ決めてアドリブで進んでいく番組だったんです。彼らは計算してやるタイプじゃなくて、素直に自分の考えで進めていく。みんなの性格も分かるし、面白かったですね。いつの間にか彼らに「オグさん」って言われるようになって、それから十数年です。

番組初めの頃はみんな電車で通ってたんですよ、すごい時代で。そうこうしているうちにすごく売れていっちゃった。最初は何人かずつ車だったのが、そのうち1人1台になっていく。出世していく過程を見られましたね。「オグさん、俺初めて写真週刊誌に追いかけられたよ。すごいですね」とか言って。そんなこと今ごろ分かったのか!と言ったこともあるし(笑い)。大きくなるだろうとは思ってました。ファンを大切にしてましたから。

メンバーから相談を受けて会うこともあったし、個人個人でご飯を食べたり。北京オリンピックの時は、翔くんと現地で中華料理を食べましたね。彼らのライブに行った時は、相葉が「今日はオグさんが来てまーす!」って言うからカメラでドカンと映されて。こっちがぶっ飛んだこともありました(笑い)。

みんなそれぞれ個性を持っていて、自分の良さが分かっている。芝居をやったり絵をやったり。コンサートの演出は松潤、振り付けは大野とか役割が決まってきて。それをお互い守りながらやっているから、グループの結束は強かったですね。1人1人が別の仕事をやっていても「あの仕事、俺がやりたい」とか聞いたことがない。みんな自分の世界を大事にしてました。

必ずしも嵐が復活しなくても、彼らは自分たちのエリアを作りながらどんどん発展していくんじゃないかな。自分を犠牲にしていた部分もあると思う。嵐ファンからすればまたライブが見たいと思うかもしれないけれど、僕はそれぞれに自分の道を歩んでいけばいいんじゃないかなと思ってます。【聞き手=遠藤尚子】

◆小倉智昭(おぐら・ともあき)1947年(昭22)5月25日、秋田県生まれ。独協大卒業後、70年に東京12チャンネル(現テレビ東京)入社。故大橋巨泉さんの勧めで76年にフリー転身。93~99年3月末までフジテレビ系生活情報番組「どうーなってるの!?」司会、99年4月から同局系情報番組「とくダネ!」キャスターを務める。趣味はゴルフ。血液型B。

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