子供の成長には驚かされることが多いが、先日、「二月大歌舞伎」(2~27日、東京・歌舞伎座)に出演する中村勘九郎(39)中村七之助(37)、勘九郎の長男勘太郎(9)次男長三郎(7)をオンラインで取材した時もそうだった。

まず、画面越しに登場した勘太郎と長三郎がきりりとした顔つきになっていたことにびっくりし、衣装と化粧をした役写真を見て、かっこよくてかわいくて、さらにびっくりした。役の気持ちに入っているのが写真を見てもよく分かった。

第3部は、勘九郎、七之助の祖父にあたる17世勘三郎の三十三回忌追善狂言(演目)として、「奥州安達原 袖萩祭文」「連獅子」が上演される。勘太郎、長三郎は昨年1月以来の歌舞伎座出演。勘太郎が「久しぶりなので楽しみです」と言えば、長三郎は「緊張と楽しみがくっついています」と、心の内がよく分かる言葉で語ってくれた。

勘太郎は、1カ月間の本公演としては史上最年少の9歳で「連獅子」の仔獅子をつとめる。昨年の自粛期間中に自宅で稽古を始め、今回の公演に向けての写真撮影で初めて衣装を着て踊ったそうだ。「(父たちが)軽そうに踊っているのでそんなに重くないと思っていた。いざ着てみたらものすごく重くて死にそうになりました」と話した。

この1年間、勘太郎と長三郎の姿には、オンライン配信での踊りとトークでしか触れていない。いざ、生の舞台を見た時には、この取材とはまた違うところで成長を感じるはず。楽しみにしたい。