大ヒットアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」を企画したアニプレックス岩上敦宏代表取締役が「第16回渡辺晋賞」を受賞し2日、都内で、授賞式に出席した。

故渡辺晋さんが創業した芸能事務所「渡辺プロダクション」の50周年を記念し、エンターテインメント界に大きく貢献したプロデューサーを顕彰するために創設された同賞。式では新型コロナウイルス感染拡大防止対策を徹底した上で、晋さんの妻で、主催の一般財団法人渡辺音楽文化フォーラム・渡辺美佐理事長(92)からトロフィーと副賞が授与された。

岩上氏は、「鬼滅の刃」による日本映画史上歴代1位の興行成績だけでなく、コミックスのヒットやファッション、商品コラボなど一大カルチャーを樹立したことなどが評価された。

そして「鬼滅の刃」以外にもアニメビジネスを創出し続けており、その文化構築の功績が授賞に繋がった。「このような形で評価していただいたことを大変うれしく思います。エンターテインメント業界の新たな時代を切り開いた渡辺晋氏の功績に学び、今後も魅力的な作品を日本から世界中に届けるべく既成概念に取り組んで参ります」とコメントした。

また、昨年6月に亡くなった作編曲家の服部克久さんが特別賞を受賞。ジャズとクラシックが上品にブレンドされた粋な“服部サウンド”を確立し、日本のポピュラー音楽の水準を引き上げたことが評価された。テレビの草創期から、映像と音楽の新たなコラボレーションを実現し、作編曲数は延べ約6万曲にものぼる。11年より、渡辺音楽文化フォーラム役員としても尽力した。

この日の授賞式は息子で作曲家の隆之氏が代理で出席した。「この度、亡き父服部克久が渡辺晋賞特別賞を賜りましたことを私の家族、妹共々、大変光栄に思っております」。

「なにより、日本における芸能界の黎明期を父と共に戦友のように駆けてこられた渡辺美佐理事長関する貴財団よりの賞であります。父はいかほど喜んでいることでありましょうか!」と克久氏の思いを代弁。「今後も残された私たちは、父の音楽的遺産を引き継ぎ、微力ではございますが、日本のエンターテインメント界に貢献いたしますことをお誓い申し上げます。ありがとうございました」とした。