世界3大映画祭の1つ、ベルリン映画祭の各賞が5日、オンラインで発表され、最高賞の金熊賞を争うコンペティション部門で、濱口竜介監督(42)の新作映画「偶然と想像」が銀熊賞(審査員大賞)に輝いた。

「偶然と想像」は、偶然と想像をテーマにした3話オムニバス映画で、濱口監督初の短編集となる。3話に出演した俳優陣が祝福のコメントを寄せた。

第1話「魔法(よりもっと不確か)」に出演の古川琴音(24)は「受賞の知らせを聞いて、とてもうれしく思います。このようなすてきな作品に参加出来たことを幸運に思います。私の俳優としてのキャリアはまだ始まったばかりですが、ひとつひとつの仕事をより一層大切にしていこうと、身の引き締まる思いです」とコメントした。

中島歩(32)は「『人を振り向かせる声』を探すところから始まったこの作品が、ひとつの大きな成果を得たことに興奮しています。それぞれが創造力を発揮し、信じ合えた結果だと思います」とコメント。

玄理(34)は「濱口監督の書く物語と言葉、独特のリハーサル期間、穏やかな表情に見透かされるような目、今日の台本はどんなせりふが、シーンが加えられているんだろう…まだここ数年の出会いなのに毎度濱口監督の現場に行く時間がいちばんの楽しみでした。その俳優としての喜びがスクリーンを通して今回ベルリン映画祭の審査員の方々に伝わったんだなと思うと感無量です。自分の信じる力をもう一度信じてみたくなりました。濱口監督、そしてスタッフキャストの皆様、おめでとうございます」と感激した。

「魔法(よりもっと不確か)」は、モデルの芽衣子(古川)が親友のヘアメークつぐみ(玄理)が「いま気になっている」と話題にした男が2年前に別れた元カレの和明(中島)だと気づき、どうすべきか思案する物語。