東京五輪公式文化プログラム「まぜこぜアイランドツアー」(8月22日オンライン配信予定)の制作体制トップを務めている女優東ちづる(60)が18日、都内で会見した。

開閉会式の演出を統括するクリエーティブディレクター佐々木宏氏(66)が、女性タレントの容姿を侮辱する演出で辞意を表明した問題について「今は過渡期。本当に変わる時だと思う。言ってしまった人を総攻撃するのではなく、なぜそういう発言をしてしまったのか、社会のみんなと考えられたらいいなと思います」と話した。

東は、29年間のボランティア活動の集大成として組織委からの熱烈なオファーを受け、「まぜこぜアイランドツアー」を制作中。人種、性別、障がいなどさまざまな個性が交じり合う多様性社会の魅力を発信している。

今回佐々木氏が、お笑いタレント渡辺直美(33)を豚に変身させる演出が明るみに出て批判を集めていることについて、「ああいった、悪気のない発言はこれまでもたくさんあった。こんなに話題になるということは、時代も社会もアップデートしているんだなあと思っています」と受けとめた。

「ついつい言ってしまった人を責めてもしょうがない。なぜ言っちゃうかというと、それが許される社会だったから。私も昔は、傷ついたり不快に思っていても笑わないと円満に進まないと思い込んでいたので、私も悪かったなと今は反省しています」とし、「こんなに熱を持って怒る人がいるというのはすごいいいこと。今は過渡期。本当に変わる時だと思う」とした。

この日は、2月3日に胃がん摘出の内視鏡手術を受けていたことについて語った。「早期発見で、よく見つけてくれました。先生には感謝しかないです」。転移もないという。組織委のオファーを引き受けた段階で酒を断っており「ライフスタイルを改めたので、今の方がめちゃくちゃ健康です!」。舞台衣装のドレス姿で「自分の体を過信していた。自分の体にごめんねという感じなので、生き切りますから」と、元気をみなぎらせていた。