和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた酒類販売会社の元社長、野崎幸助さん(当時77)に2018年、致死量の覚醒剤を口から摂取させて殺害したとして、県警は28日、殺人と覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで、妻だった須藤早貴容疑者(25=東京都品川区)を逮捕した。

野崎さんに「プロポーズされた」と明かしたこともある、デヴィ夫人(81)が28日、日刊スポーツのインタビューに応じた。

-逮捕を聞いた時の心境は

『ああ幸助さん、これであなたも浮かばれますね』って。さぞかし無念だったでしょうって。もう、ご自分が亡くなるなんて、夢にも思っていなかったと思うんですよね。とにかく(野崎さんの愛犬)イヴちゃんのお葬式にもう夢中でしたから。5月13日、今でもはっきり覚えていますけど、早朝7時前に電話がかかってきて、しかも3回も、イヴちゃんのお葬式するからトランペット吹ける人を呼んでって。それくらいイヴちゃんのお葬式を立派にしてあげたいっていう気持ちがあって。自殺なんてことは考えられません。今度のことは、本当に田辺署の人たちの執念ですよね。死因がもう、薬物でということがわかっていますから。ほとんど犯人はわかっているんですけども、どこから入手したかということが、全く分からない。ですから、田辺署の人が私のところにお話を聞きに来たときも、どこから入手したか分かりますかって

-野崎さんに、覚醒剤の印象はあったのか

もう、全くない。健康にはひと1倍気をつけていて、年中検査入院していました。お食事も非常に気をつかっていらっしゃいましたし、それからお酒も非常に慎んでいましたから。脳梗塞を2回やっていましたし。

-須藤容疑者と面識は

1回しか会ったことがないんですけども、私の誕生日をかねて、パーティーを毎年2月にやっておりまして。その時、お連れになったんですね。で、彼は新しいガールフレンドができると、必ず結婚するって言うんです。そういうのが7、8回あったので、あっ、またかっていう気持ちだったんですね。ですから、まさか結婚を本当にするとは思っていませんでした。

-その時の印象は

印象は非常に悪いです。今までいろんな女の子を連れてきて、今度はこの人と結婚するとか、毎回いっていましたが、記念撮影をするときに、『あなたは入らないで』って、彼の胸をドンと押したんですよ。感じ悪いわね~と。彼女のほうは、すごく背が高いですから、そういうの幸助さんに対する敬いはゼロですよね。ちょっとばかにしたような感じ

-結婚したと聞いて

ビックリしました。うそじゃないかしらって思いました。まさか本当に結婚するとは思わなかったですね

-夫人は、プロポーズもされたことがあると

私、会った瞬間に結婚しましょうって言われました(笑い)。私のパーティーは必ず皆勤でした。そのプロポーズは、家政婦さん、そのお嬢さんと、私と、私のヘアメークの女性と、もうひとり若い女性のみなさんの真ん前で冗談のようにいってくださった。いつも彼は私に、あなたは日本の宝ですって。あなたみたいな方はいませんから、みたいなことをよくおっしゃって。新しいガールフレンドができる度に、私に紹介していました。生きがいは女性をつること(笑い)。

-野崎さんの死後、1通の封筒を受け取った

そうなんです。いまだにすごく不思議なのは、彼の2番目の妻の方がですね、亡くなられてから1カ月たって、私のところに茶封筒をもってきたんですね。彼女がいうには、亡くなる1カ月前、ですから2カ月前に、ホテルに呼び出されて会いましたと。で、その時に『僕になにかあったらこれは、夫人に渡して下さい』って頼まれた物ですっていうんですね。だったらば、亡くなったらすぐ私のところに持ってくるべきじゃない。それでなんで1カ月もたって私のところにもってきたかなって。それがまず不思議なことが1つ。それで茶封筒開けたら、5000億円の還付金残高確認証が2枚入っていた。それと鍵が一つあったんですね。でも、どこの鍵か全然わからない。古いシンプルな鍵なんですよ。とにかく額が大きいので、田辺署には、それをお見せしました。その間、警察に確認証を、私の銀行にもっていって調べていただいたら、非常によくできた偽物だっていうんですね。本当に、誰が見ても本物にみえるんですよ。でも、彼は金融業のプロじゃないですか、その人がそんなものを担保に、お金を貸すとは思えないんですね。

-鍵はどこの

全然分かりません。私は2番目の妻の方もおかしいなって思うんですよ。絶対にどこって手紙が入っていたもん、一緒にね。その手紙はくださらない、ただその確認証2枚と鍵。その鍵ももう、どこかにいっちゃいました。

-改めて、野崎さんに言葉をかけるなら

幸助さん、あなたもこれでやっとうかばれますねって、さぞかし無念だったでしょうって。