映画プロデューサーをたたえる唯一の賞として知られる、第40回藤本賞が26日、決定し、主催の映画演劇文化協会が発表した。

藤本賞は、日本国内の興行収入(興収)記録を更新し、初めて400億円の大台を突破したアニメ映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」(外崎春雄監督)を企画した製作・配給のアニプレックス岩上敦宏代表取締役、制作スタジオufotableの近藤光社長、原作の出版元の集英社・大好誠氏が選ばれた。

受賞理由は

<1>吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)氏の「週刊少年ジャンプ」連載からアニメ放送を経て人気絶頂で迎え、アニメーション映画としての圧倒的な映像と音楽、そして老若男女全ての世代の心をつかむ魅力的な物語が、迫力あるLiSAの主題歌の効果と合わせて社会現象を巻き起こし、3000万人に迫る観客の共感を呼び、20年ぶりに日本映画の観客動員記録を塗り替えたこと

<2>全米でも記録的なヒットを飛ばすなど海外での成功も合わせ、コロナ禍で沈滞していた映画界全体をも大いに活性化させた功績、とした。

また藤本賞・特別賞には、小栗旬と星野源の共演でも話題となった映画「罪の声」(土井裕泰監督)をプロデュースした、TBSスパークルの那須田淳、TBSの渡辺信也、フィルムフェイスの進藤淳一の各氏が受賞した。

藤本賞・奨励賞には、菅田将暉と有村架純の主演で21年1月に公開後、大ヒットした「花束みたいな恋をした」をプロデュースしたリトル・モアの孫家邦代表、フィルムメイカーズの菊地美世志代表取締役、そして中野量太監督が手掛け、国内外の映画賞を受賞した二宮和也主演の「浅田家!」をプロデュースした、ブリッジヘッドの小川真司代表取締役社長・プロデューサーが選ばれた。

藤本賞は、映画にほれ込み、映画づくりに生涯をささげ、269作品を製作した名プロデューサー・藤本真澄氏の功績をたたえて設けられた賞で、毎年功績著しい活躍をした映画製作者を中心に表彰する。

藤本賞には賞金50万円、藤本賞特別賞、藤本賞奨励賞にはそれぞれ賞金30万円、ならびに各賞に対し、副賞が贈られる。

第40回藤本賞の授賞式は、新型コロナウイルスの感染状況に鑑みて、開催を見送る。