6月25日に就任したフジテレビの金光修社長(65)が9日、就任後初となる定例会見がコロナ禍で中止となったのにともない、書面でラジオ・テレビ記者会の質問に回答した。

フジ・メディア・ホールディングスの社長と兼務での就任となったが、「最近は経営の視点でフジテレビを見てきましたが、若い頃は編成で『G帯の視聴率を上げることの難しさ』について身をもって体験しました。当時と比べ、映像系の競合メディアも増え、そのハードルが、さらに高くなっている。とはいえ、テレビ局の映像の制作力は健在で、メディアとしての影響力も強大です。その地位を下げることなく、時代にあったテレビ局のビジネスモデルを構築していきたいと思う」とコメントした。

また、「放送メディア事業も、動画配信サービスも決め手はコンテンツ力。フジテレビの番組については『若い視聴者にターゲットを振ってきた基本的な戦略』は維持しつつ、より多くの方に見ていただくことも目標に加えなければならない。特にGP帯で人気レギュラー番組が出てくることを期待しています」と続けた。

「視聴者の半分以上を占める女性を今まで以上に意識し、視聴者に近い感覚を持った、前例にとらわれない柔軟な発想でのタイムテーブル作りに期待している。報道だけでなく、配信まで含めたコンテンツ戦略がますます重要になってくると考えている。AVOD(広告付き無料配信)での再生回数を増やすことで、収益にインパクトを与える規模の広告収入の獲得やSVOD(有料配信)での有料課金収入の増加に期待している」とした。