ジャニーズアイドルが多く出演してきた伝統の舞台「少年たち 君にこの歌を」(9月5~27日、東京・新橋演舞場)の制作発表が15日、都内で行われ、同作初主演となるジャニーズJr.のユニット、HiHi Jetsと美 少年が出席した。 19年にジャニー喜多川氏が亡くなった直後の公演以来、2年ぶりの上演。今回から本格的に演出を手掛ける滝沢秀明ジャニーズ事務所副社長(39)とともに、新たな「少年たち」を作り上げる。滝沢氏は現在の心境も語った。

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滝沢氏はジャニー氏が亡くなった直後の19年版でも一部演出を引き受けたが、本格的に引き継ぐにあたり、改めて作品を学び直しているという。ジャニー氏が不在となった今は作品に込めた思いを探りながらの演出となるが、同時に「自分たちなりの『少年たち』を作っていけばいい」というメッセージも感じている。滝沢氏は「自信を持って作品をお届けして、『少年たち』を守っていきたい」と話す。

悩んだ時にはスタッフらとジャニー氏の遺影の前で打ち合わせをすることもあり、「AとBで悩んだ時は、『Aでいくよ!』」と意思表明することで腹をくくると明かした。今作は長く主演した「滝沢歌舞伎」のホームグラウンド・新橋演舞場で上演され、「隅から隅まで分かっているので、彼らがどう良く見えるのかも分かる」と自信を見せた。

ジャニー氏の死去から約2年経つが「どこかそばにいる感じがするので、そんなに経った実感はない」と、今でも近しい存在という。先日行われたという三回忌当日も和やかな雰囲気で「しんみりせず、黙とう中に笑っちゃう場面もあった。明るい時間を過ごそうという意識でした」と振り返った。

まもなく開幕する東京五輪では、演出家として開閉会式に注目しているという。滝沢氏は「こんなピンチの状態のオリンピックは今までにない。日本人の底力、ピンチをチャンスに変えられるように期待しています」と話した。【遠藤尚子】

 

◆「少年たち」 1969年(昭44)に初演されたミュージカルのシリーズ。少年たちの苦悩や葛藤を描く作品で、毎回アレンジを加えながら上演される。19年にはジャニー喜多川氏が初めて製作総指揮を務めた映画「少年たち」が公開され、約55万人を動員した。