放送倫理・番組向上機構(BPO)は21日、審議していた、3月12日に日本テレビ系「スッキリ」(月~金曜午前8時)でアイヌ民族への差別表現を含む内容を放送した件について、「放送倫理違反があった」と判断した。この判断を受けて、日本テレビはコメントを発表した。

同局は「本日のBPOの意見を真摯に受け止め、今後の番組制作にいかし、再発防止に努めてまいります」とした。

BPOは公式サイト上で、「審議の結果、本件放送はアイヌ民族に対する明らかな差別表現を含んだもので、オンエアに至った背景には、収録動画の最終チェック体制が極めて甘く、アイヌ民族やその差別問題に関する基本的知識がスタッフ間で決定的に不足していた点があったことを指摘し、日本民間放送連盟の『放送基準』の『(5)人種・性別・職業・境遇・信条などによって取り扱いを差別しない』『(10)人種・民族・国民に関することを取り扱う時は、その感情を尊重しなければならない』などに反しているとして、放送倫理違反があったと判断した」と意見書を出していた。

同件は、日本テレビが3月12日に放送した情報番組「スッキリ」のコーナー『週末オススメHuluッス』で、アイヌ民族の女性を描いたドキュメンタリー作品を紹介した際、出演したお笑い芸人、脳みそ夫が「この作品とかけまして動物を見つけた時ととく。その心は。あ、犬」という謎かけをして問題となっていた。