演歌・歌謡曲で「第7世代」と呼ばれる若手歌手が頑張っている。

新浜レオン、二見颯一、中澤卓也、辰巳ゆうと、三丘翔太、一条貫太、青山新、門松みゆき、朝花美穂、津吹みゆ、望月琉叶等々。みな20代で「演歌や歌謡曲の素晴らしさを同世代にも伝えたい」という熱い思いを胸に、歌っている。テレビの音楽番組などでも第7世代の特集が組まれるなど、日々、存在感を増している。

この「第7世代」という発想や表現は、お笑い界から生まれた。18年に霜降り明星のせいやが提起したと言われる。お笑いは下積みに差があるなど、デビュー年とブレーク年で違うなど世代分けすることに賛否はあるが、お笑いファンを中心に定着しつつある。

ちなみに第1世代は「コント55号、ドリフターズ」。メンバーだった萩本欽一と志村けんさんを、ソロで第1世代とする考え方もある。第2世代は「ビートたけし、明石家さんま、タモリ、島田紳助さん、笑福亭鶴瓶」ら。第3世代が「とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン」ら。世代をさらに「3・5世代」とか「4・5世代」など細かく分類して考えるケースもある。第7世代は「霜降り明星、ゆりあんレトリィバァ、カミナリ、宮下草薙、EXIT」らになるらしい。

それを戦後の演歌・歌謡界に転用した。第1世代は「三橋美智也、春日八郎、三波春夫」ら。第2世代は「美空ひばり、島倉千代子、江利チエミ、水原弘」ら。第3世代が「北島三郎、五木ひろし、森進一、千昌夫、都はるみ、水前寺清子、大月みやこ」ら。第4世代が「八代亜紀、石川さゆり、坂本冬美、藤あや子、細川たかし、吉幾三」ら。第5世代が「水森かおり、氷川きよし」ら。第6世代が「山内恵介、三山ひろし、竹島宏、純烈、市川由紀乃、丘みどり」ら。お笑い界のように「3・5世代」「4・5世代」などさらに細かく分類すれば、より多くの歌手を網羅できるだろうが、今はこの区分が一般的といえる。数々の大ヒット曲を持つ映画スターの石原裕次郎さんや小林旭は区分に入ってはいないが、入れるとすれば第2世代だろうか。

こんなふうに芸能界を見れば楽しくなってくる。俳優、声優、ものまねタレントなどを区分してみるのも面白い。近々やってみよう。【笹森文彦】