東京オリンピック開幕直前、NHKの動画配信サービス「NHKプラス」の利用登録を行った。総合、Eテレの番組の同時配信、見逃し配信を行うサービスで記事執筆の大きな助けになったが、同時に利用手続きの手間も実感した。

「NHKプラス」はスマホやパソコンで利用できる。アプリをインストールするだけで番組の同時配信は見られるが、見逃し機能を利用することはできない。登録手順として、まずはサイトでIDとパスワードを作成し、契約者情報を入力。作ったIDですぐに見逃し番組も見られるが、その後、受信契約状況を確認したNHKから届くはがきに記載されたコードを入力しなければ、継続利用することはできない。

個人的な失敗だが、契約者情報の入力を誤ってしまい肝心のはがきが届かず、一定期間確認コードを入力をしなかったために見逃し機能が一時利用できなくなってしまった。その後契約者情報を修正し、はがきの再発行手続きを済ませて継続利用可能となったが、「これでどれだけの人が脱落しただろう」と手続きの煩わしさが印象に残っていた。

そんな折、同局では「NHKプラス」のサービス拡充を図るとともに、登録方法の簡素化を検討していると発表。今後はメールアドレスなど限定的な情報登録だけで利用開始できるよう、「仮登録」の仕組みを考えているという。

今月の定例会長会見では、前田晃伸会長も手続きの難しさを語り「自分での登録を断念して、秘書の人に助けてと言った」と苦笑交じりに明かした。「今の『NHKプラス』の登録の仕方はハードルが高く、かつ、はがきで行ったり来たり。登録する番号のケタも大きくて、非常に煩雑。自分でやって参ったくらい」と、会長自ら話したことに笑ってしまった。五輪期間中は特に便利さを感じたし、災害発生時、いの一番にNHKにチャンネルを合わせるタイプの人間としては、テレビのない出先ならなおのこと「まずはスマホでNHKプラス」が習慣化しそうな気がする。

前田会長は「初めてのサービスなのでハードルをきつくしたが、本当にこんなにきつくする必要があるのかと。入り口から拒絶してしまうと永遠に来てくれない。そこはハードルを下げて様子を見てみたい」と話しており、利用しやすくなることを期待したい。【遠藤尚子】