スポーツキャスター松岡修造(53)が26日、都内で行われた27日発売の「修造日めくり まいにち、つながろう」(PHP研究所)の刊行記念オンラインイベントに出席した。

松岡にとって、2年ぶり5作目の日めくり。今回のテーマは“心と心はノーディスタンス”。

松岡は「コロナ禍で緊急事態宣言が出された去年4月くらいに、自分1人で部屋に閉じこもっていて、なかなか前向きになれなかった。これでいいのかな、何をしたらいいのかなと思っていた。自分は応援することが生き甲斐だから、日めくりが一番いいと思った。ここにある言葉は、僕自身に宛てた言葉です。物事をネガティブに取ってしまう性格なので、それをどうしたらいいだろうかというのが日めくり」と話した。

日めくりで取り上げた言葉で、松岡にとって印象深かったのが「自分アドベンチャーでゴールを目指せ!」。コロナ禍で東京五輪開催の行方が見えなかった時に、小池百合子都知事に話を聞く機会があった。

「今現在の気持ちを聞いたら、両手を挙げてゴールをしているポーズを取ってくれた。『私は常にゴールをしているイメージしかない。どんな困難があっても、それはアドベンチャーなんだよ』と前向きにとらえていた」と振り返った。

東京五輪の卓球女子団体で銀メダルを獲得した石川佳純選手からは「諦めてもいい 諦めなければ」という言葉をもらった。

「五輪前に取材をしたら、石川佳純さんが、選手たちが若くなっている、自分は諦めてようという気持ちになってきたと言っていた。『私、諦めました。ただ、最後の1%だけは諦めなかった』と。それで、諦めてもいいんじゃないかと思った。今は諦めたとしても、必ず前に進めるんだぞという思いを残していればと。五輪で石川さんは、自分を信じて生き生きとプレーしていた」と笑顔を見せた。

「支えようイスのように」と言う言葉は、オンラインを使うことが多くなったことから生まれた。

松岡は「椅子に座りながらオンラインやることが多くなった。その時に、椅子の気持ちを考えた。僕の体重は85キロある。椅子自身も調子がいいときも悪いときもあると思うけど、支えてくれる。僕は椅子のように静かに誰かを支えていこうと思った」と振り返った。

「やりたくないことはやりたいこと」という言葉は、現役引退後にジュニアの選手を指導している内に思いついた。

「もう現役引退したからボールを打ちたくないけど、ジュニアを世界へいい形で連れて行ってやりたい。だから、やりたくないことだけど、それが未来のやりたいことにつながっている」と話した。

過去の4作との違いについて、松岡は「一番の違いは、寄り添っていく言葉が多いこと。元気をすぐもらえるより、支え合っていこう、不安の中でつながっていける言葉を選びました。」と説明した。

この日のイベントはオンラインのZoom、YouTubeライブで配信された。松岡は「これを少しでもマイナスに思ったら、前に進めない。オンラインだから、どんな遠くてもできる。世界どこからでもつながれる。大坂なおみ選手や錦織圭といった海外で活躍する選手にもオンラインだから話を聞くことができる。僕は今日、オンラインでみんなとつながれた。オンラインはすごいシステムだと思う」と話した。