歌舞伎俳優の片岡愛之助(49)が27日、都内で行われた米映画「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」(キャリー・ジョージ・フクナガ監督、10月1日公開)バーチャルイベントで、東京とバーチャルでつながった英ロンドンから参加した俳優ダニエル・クレイグ(53)に生質問した。

愛之助は007の熱烈なファンで、冒頭から「私も大好きでございます」と興奮気味だった。クレイグのほか米俳優ラミ・マレック(40)フランスの女優レア・セドゥ(36)に生質問が出来ることもあり「ドキドキ…まさかね。お話しいただけるなんて。今日は絶対に来たかった。舞台の、お稽古の最中なんです。早く終わらせてきました」と稽古後に駆けつけたと明かした。

愛之助はクレイグに「歌舞伎でも、時代を超えて同じ役を務めることがある。15年、ボンド役を務めてこられた。“ダニエル・ボンド”をどう消化した?」と、同じ俳優、役者としてストレートに質問をぶつけた。クレイグは「片岡さん、素晴らしいコメントをありがとうございます」と感謝した。その上で、最初にボンドを演じた06年「007/カジノ・ロワイヤル」で、殺しのライセンスを持つ「00」エージェントになる前からのボンドを演じたことを踏まえ「ボンドが、ボンドになったところから始めたわけです。だから自分の感情を入れ込むことが出来た。複雑だからこそ、面白いキャラクター。ボンドは誰なのかと考え、15年かかって、やっと誰なのかが分かった気がします」と笑みを浮かべた。

またクレイグは、一般のファンから公募した質問の中にあった「最も人間味のあるボンドだった。あなたにとってボンドはどんな存在?」という質問に対しても「いろいろな意味を持つ。私にとって(演じて)15年目。素晴らしい役を演じられ、恵まれている。業界のベストの人と仕事できたのは、きっと懐かしく思うでしょう」と答えた。

愛之助は、イベント後も興奮が冷めやらず「夢のようですね。ただただ、ファンの1人して(クレイグらが映った大型モニターを)ぼうぜんと見ていましたね」と笑った。その上で「車が好きなんでカーアクションも好き。その中にラブストーリーもあり、いろいろなものが全て含まれているじゃないですか。いつも見て、パワーをいただきます」と笑みを浮かべた。その上で「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」についても「どこか稽古の合間を縫って見に行きたいと思っていますね」と、1日も早い鑑賞を心待ちにした。