不仲のベテラン漫才コンビ、おぼん・こぼんの2年間を追いかけたドキュメンタリー「おぼん・こぼんTHE FINAL」の後編が6日、TBS系「水曜日のダウンタウン」(水曜午後10時)で放送された。

こぼんの次女のタレント泉水(いずみ)いづみ(39)の結婚式に、おぼん(72)とこぼん(72)がそろって出席するかで、険悪な仲が修復されたのか注目されていた。

新婦の入場で会場の入り口が開くと、おぼんとこぼんが両脇に立ってウエディングドレス姿の泉水を新郎のもとへとエスコート。そろって着席して、仲直りの第1関門をクリアした。

泉水が「お父さん、そして第2のお父さんと言って過言でないおぼんさん。小さい頃から2人の背中を見てきた。2人の仲の良さがにじみ出てくるようなステージに憧れていた。最近は仲たがいをして、2人のそんな姿を見るのはつらいです。これをきっかけに仲直りしていただけないでしょうか。握手してください、お願い」と涙ながらに懇願。

ここで、おぼんが「ごめんな、こいつが意思表示しないと俺は」と態度を保留。周囲は凍りついたが、こぼんが「普通に戻りましょか」と歩み寄る。だが、おぼんは「これをこんな性格にしたのは、こいつのせい。単純でバカな男をこんなにした。心底嫌いじゃないけど、55年の怨念が。一言言えばいいじゃないか。『おぼん、頼む』と」。

こぼんが「性格悪すぎるわ」と言うと、おぼんは「終わりやったら終わりでええ。俺にどうせいっていうんや」と怒りをあらわにして、席を立って会場から出ていった。

会場を出たおぼんはお笑いコンビ、ナイツに「なんで、俺が謝らなきゃいけないんじゃ。あいつが近寄れば、いいんだ」と激怒。だが、40年間連れ添ったマネジャーが説得すると、おぼんは「新郎新婦だよ~」とおどけながら会場に戻って、こぼんと握手。

会場が拍手に包まれると、こぼんが「仲直りじゃない、仲直りじゃない」と叫んで、コンビ解消を宣言。

思わぬこぼんの発言に、おぼんは「暗い性格やな~」と言って「これを機会におぼん・こぼんは解散。俺は1人で頑張ります」と宣言。こぼんも「スッキリや」と言ってコンビ解散を宣言してVTRは終わった。

スタジオで見守ったダウンタウン松本人志(58)は「漫才コンビが仲良くなくちゃいけないってことはないけどね。ウソでしょ」とあきれた顔を見せた。

このまま終わるかと思われたが、再びVTRに戻りナイツ塙宣之(43)と泉水さんが説得。泉水さんが「普通でいいんだよ」と言うと、おぼんは「普通がしんどいんだよ」。ヒートアップした2人の頭を冷ますために、それぞれ控室へと戻った。

おぼんは「俺が、ずっと耐え忍んでいた。今は借金がないから辞めたっていい」。こぼんはナイツの説得を受けて、漫才をやることだけは渋々と了承。おぼんも「漫才だけは続けたい」と式場へ戻って「みなさん迷惑をかけて申し訳ない。俺も(心を)入れ替えるけど、お前も入れ替えろ」と言って、こぼんの手を握りしめた。

おぼんはナイツ塙に「漫才のネタ書いてちょうだい」。こぼんは「ヤホーのネタちょうだい」とナイツの十八番のネタをねだって、そこから2人で軽く即興漫才。最後は2人そろって頭を下げ、おぼんは「こいつとしかできない漫才があるんじゃ」と相方への信頼感を口にした。

最後は東京・浅草の東洋館で「輸血ネタ」を披露して、拍手喝采を浴びる2人の姿が放送された。おぼんは「仲直りの時はこのネタと決めていた」と笑顔。こぼんは「10年ぶり以上かな。楽しかった~」と声を弾ませた。

大阪の福島商業(現・履正社)の同級生だった、おぼんとこぼんは在学中の1965年(昭40)にコンビ結成。大の仲良しだった2人は高校生漫才師としてデビューして、一緒に上京した。80年に日本テレビ系「お笑いスター誕生!!」で10週連続勝ち抜きでグランプリを獲得してブレーク。ツービート、B&Bなど80年代初頭の漫才ブームで売れたコンビで、唯一今でも解散したことがなしに一緒にネタをやっている。

前週9月29日の放送では、15年に行われた漫才協会の理事選で、初めておぼんよりこぼんの得票数が多かったことが、2人の不仲を決定的にしたことが明かされた。理事として長年奮闘しながら認められなかったことに怒って理事の仕事を放棄したおぼんと、それに怒るこぼん。泉水の結婚式の模様が放送され、「第2のお父さんのおぼんさんにも来てほしい」というリクエストに応えて、おぼんが式に出席するのかどうかを通してコンビ仲の現状を検証するとしていた。