ライオンズナイターでおなじみの文化放送は19日、西武松坂大輔投手(41)の引退試合を特別番組で生放送した。

この日は、一日限定で松坂入団当時に実況を務めていた同局の斉藤一美アナウンサー(53)がメットライフドームのアナウンス席に復帰。ブルペンでの投球練習から生実況した斉藤アナは「かつての剛球は見られません。しかし、松坂投手はいつも我々の想像するプラスアルファの姿を見せてくれました」と期待を込めた。

最後となるマウンドに上がると「度重なる故障で試合に投げられないことが晩年は多かった。しかし、今日までできることをすべてやってきました。松坂大輔が慣れ親しんだまっさらなマウンドに帰ってきました」と興奮気味に伝えた。「われわれは松坂の全力で投げる姿を見届けるためにメットライフドーム集まった」と続けた。

左打席には横浜高校の後輩、日本ハム近藤健介が立った。松坂が初球を投げると「待ち焦がれた118キロ。一生懸命に心を込めた118キロ」と絶叫した。カウント3ー1から四球を与えると「野球と運命をともにした渾身(こんしん)の球は外れました。乾坤一擲(けんこんいってき)の5球。ボールは外れました」と声を張り上げた。

「松坂大輔、やりきりました。彗星(すいせい)のごとく現れ、横浜高校から西武、レッドソックス、ソフトバンク、中日、そして最後は西武で23年間のプロ野球生活にピリオドを打ちました。世界一の剛腕、18歳から投げ続けた松坂。最後のMAX(最速)は118キロでした。確かに確かに23年間の月日は流れていきました」と感無量の心境を実況した。