東京国際映画祭が30日、開幕し、東京国際フォーラムでオープニングレッドカーペットとセレモニーが行われた。

フェスティバルアンバサダーを務める橋本愛(25)は、レッドカーペット上で「まずは、この映画祭が、皆さんにとって楽しいものになるように、自分がやれることをやろうと。面白い作品が多いので、こういう作品があるよ、と皆さんに伝えたい」と抱負を語った。

橋本は、前回の第33回で出演作「私をくいとめて」(大九明子監督)が観客賞を受賞するなど、東京国際映画祭とは縁がある。セレモニーの壇上で、司会の中井美穂アナウンサーから、これまでの参加を踏まえた今年の印象を聞かれると「コロナ以前は(レッドカーペットの)周りにお客さんがいて、まれに見る交流できる楽しいイベント。去年、今年は熱気を感じる空気ではないにしろ、たくさんのお力で開催されたことをかみしめた」と語った。

今回もコロナ禍に見舞われた20年に続き、リアルとオンラインを融合する形で開催される。新規感染者の数が鈍化傾向にある中、ポストコロナの日本の映画を取り巻く状況について聞かれると、橋本は「私、個人の体感としては、あまり変わらないと思う」と評した。その上で「男女の性別、世界各国の物理的、文化のボーダーがありますけど、違いを認め、歩み寄ることを誠実に考えていくのが人にとって大切。そういう意識、今を生きる人の感性を育てるのが映画の大きな役目。(映画祭が映画を)日本、世界に広げていただいているのはありがたいこと」と映画が単なるエンターテインメントにとどまらず、人に気付きを与える、重要な存在だと強調した。

最後に、東京国際映画祭が開催される、東京の映画館の楽しみ方を聞かれると「日本の、東京の名画座、ミニシアターだったりは足を運ばせてもらっていて。思うのは場所、場所で空気感、座席の質感、セレクト…そこの映画館でしか会えないものが建物、空間があるのが大好きなこと。その場所の、そこにしかない映画館の特別感が好き」と熱っぽく語った。