2人組マジシャン、ナポレオンズのパルト小石さん(本名小石至誠=こいし・しせい)が26日、肺炎のため死去していたことが30日、明らかになった。69歳。妻、結花さんが自身のツイッターで公表した。

結花さんの投稿によると、小石さんは19年10月に急性リンパ性白血病のため入院。20年7月に寛解して退院したが、その後も腎臓の数値悪化や歩行不全などで入退院を繰り返した。今年6月には肺炎で緊急入院したが、小石さんの強い希望で退院し、自宅療養を続けていた。しかし、9月9日に再び肺炎で緊急入院し、闘病していた。

結花さんはツイッターで「10月26日、火曜日。午後4時26分。至誠は逝きました。私に頭を抱きかかえられたまま」と報告。コロナ禍の面会禁止の中、防護服越しに最期の別れをした描写をつづり、「至誠はずっと自然昏睡(こんすい)の状態で、何も苦しまずに旅立ちました」「『ありがとう』と『大好きだよ』を何百回繰り返したかわかりません」「心臓が止まりました、と告げられた時、至誠は私の中に入ったのだ、と感じました」としている。

小石さんの意向から葬儀はせず直葬とし、28日に荼毘(だび)に付したという。結花さんはツイッターの中で多くの思い出を語り、「生前、ナポレオンズのパルト小石こと、小石至誠に頂きました皆様の思い、皆様の祈り、そしてご厚情に心から深くお礼申し上げます。本当にありがとうございました」と結んでいる。

ナポレオンズは、専修大マジック同好会の同級生だった小石さんとボナ植木(69)で結成し、77年にプロデビュー。主に植木がマジックを担当し、小石さんがトークで盛り上げるスタイルで人気を集める。専用のマジック道具を小石さんの頭にかぶせて回し、頭が360度回転しているように見える「あったまぐるぐる」などのネタで知られる。