吉本興業は1日、都内で地方創生を目的とした教育事業「ノウル プロジェクト」に関する記者会見を行った。

岩手県紫波町にある22年3月廃校予定の小学校舎を活用し、主に高校年代の学生が学校に通いながらビジネスや農業なども学ぶアカデミーを開校させる。

プロジェクトには同町で地方創生活動実績がある、不動産管理事業などを行うオガールと岡崎建設も協力。「吉本・オガール地方創生アカデミー」として翌23年4月からの開校を目指す。高校生は学校法人滋慶学園の普通科(通信制課程)の生徒として学びながら、アカデミーの社員として農業をリノベーションする加工食品ビジネスなどにも従事する。1学年5人程度の入学を想定しており、社会人コースも設けるという。プロジェクト名は「『農』を育てて地域をつくりたい」という思いを込め「ノウ(農)ル プロジェクト」とした。

会見で事業説明を行った岡崎正信代表取締役は昨今の若者に抱く印象として「指示を出したら動ける人はいるが、自らが動いてアクションする人材が本当にいない、見つけられない」と語り「考える癖をつける。技術的なことを教えて、きちっとしたビジネスをして子ども扱いしない教育をやっていこうと思った」と発案のきっかけを明かした。 吉本興業らと連携した今回の事業を通じて「サービスを世界的なマーケットの中で発展させ、産業の創出も担わせていただきたい」とも語り「校庭や校舎をつかってひとつ、未来の町をつくっていくということをやっていきたい」と力を込めた。

また、同じく会見に出席した紫波町の熊谷泉町長も「最初から農業はだめだ、だめだと言うと誰も継ぎません。まずはそういうことからなくしていきたい」と話した。会見は「岩手県住みます芸人」でもあるお笑いコンビ、アンダーエイジが務めた。