大正から令和まで、4時代を生きた作家で僧侶の瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)さんが9日、心不全のため、京都市内の病院で死去した。99歳。06年に文化勲章を受章した。

   ◇   ◇

21年前に本紙インタビュー特集「日曜日のヒロイン」で瀬戸内寂聴さんを取材した日刊スポーツの元芸能記者・梶■男氏 当時は源氏物語ブームでした。寂聴さんの著書「源氏物語」も大ヒットしていて「このブームは私が作った」と話していました。すごい自信家だなと素直に思ったことを思い出します。

また、市川新之助(現在の海老蔵)が、京都御所の目の前で「御所って何ですか」と質問をしたことがありました。この時、すごく丁寧に、かつ楽しそうに説明をしていたことを鮮明に覚えています。

そして、このインタビューは東京で行ったのですが、取材時間が足りなくて、でも、寂聴さんは京都に戻る新幹線の時間が迫っている。そうしたら「手紙で追加の質問をください」と言って帰っていきました。後日、質問を5、6個書いて送ったら、すごく丁寧にお返事を頂きました。人に対して、しっかりとした対応をしてくれる人でした。

※■は繁の旧字体