漫画家・尾田栄一郎氏(46)の漫画「ONE PIECE」を原作としたフジテレビ系アニメ「ワンピース」(日曜午前9時半)が、21日の放送で1000話を迎える。そのことを記念して、この放送1回に限り、1999年(平11)10月20日に放送を開始した当時の初代オープニング曲で、アニソン歌手きただにひろしのファーストシングルでもある「ウィーアー!」を、新規作画の映像とともに復活放送する。19日、同局が発表した。

記念すべき回を迎えるにあたり、これまで海賊団“麦わらの一味”として番組作りに参加してきた、主人公ルフィ役の田中真弓がコメントを寄せた。

◆田中真弓(モンキー・D・ルフィ役)<1話から登場>

「こんなに長い間1000話も見続けてくれたなんて、本当に感謝です。始まった時は、このアニメが1000話も続くなんて誰も想像していなかったと思います。最近、友人からコミックスの表紙を一生懸命書き写している小学生の子がいると聞いたんです。それってつまり、まだ始まった頃は生まれていなかったんですよね。そんなに小さい子からも愛されているなんて、本当にすごいなって思います。あと何年かわからないですが、生きて最終回まで行きたいです。尾田っちにありがとう、そして視聴者の皆さんにも感謝です」

「ONE PIECE」は、ゴム人間になった少年モンキー・D・ルフィが海賊王を目指し、海賊団“麦わらの一味”を率いて、海賊王ゴール・D・ロジャーが残した“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”を求めて航海する物語。漫画誌「週刊少年ジャンプ」で1997年(平9)7月22日に連載がスタートし、フジテレビ系アニメ「ワンピース」は、2年後の99年に放送を開始した。連載は1月4日発売の同誌で連載1000話を迎え、9月3日にはコミックスの100巻が発売と、原作は今年に入り相次いで節目を迎えたが、さらにアニメも大きな節目を迎えた。

「ONE PIECE」は、11年11月発売の64巻で400万部、12年8月発売の67巻で同405万部と、初版発行部数の日本記録を更新し続け、21年7月19日の99巻発売中の累計発行部数は4億9000万部を突破。日本を代表する少年漫画だが、連載開始から24年で親から子へと読者層が広がる、日本屈指のコンテンツとなっている。

尾田氏は、1000話達成の際、記念プロジェクト特設サイトに直筆のメッセージを寄せている。

「やーもー 色んなことがありすぎた23年でした。僕の人生の半分が週刊連載。笑 ルフィ達もいくつもの島へ航海し、いくつもの冒険をしてきました。出会った人たちの数はもうわからない!その裏で僕も、たくさんの人たちに出会い、家族を始め数えきれない人たちによって支えられてきました。いろんな人たちに頭があがりません」

「読者にも忙しい人生があり、『読者は5年で入れ代わるもの』それが長期エンタメのセオリーです。だから僕は読者をあまりファンと呼ばないようにしてました。いつか去っていく人達だと自分に言い聞かせてたからです。『おごるな』と。」と持論をつづった。その上で「なのにその考えが恥ずかしくなるほどに、皆さんがルフィを信じてくれるから、僕も皆さんを信じて、好き勝手に漫画を描いてこれました」

尾田氏は、ファンへの感謝の思いをつづるとともに、物語の現状についても説明。

「冒険はここへ来て、最終章に片足をつっこんでます。1000話もやってしまった、だけど、1000話やったからこそできる、面白すぎるストーリーがあるのです! あるのですよ!! なんやかんやで今ご縁のある世界中のONE PIECEファンの皆様! 長いお話になりましたが、もう少しの間、ルフィたちの冒険をどうか見守ってやってください!!」

また、コミックス100巻が発売された9月3日付の朝日新聞、読売新聞、毎日新聞の朝刊には、100巻発売と長きにわたり支持し続けてくれた読者への感謝の気持ちを込めた全面広告を掲載。そこには、尾田氏が作業場で筆を走らせる写真に加え「物語は終盤です。」(コメントは全て原文のまま)という決意の言葉が記されている。