演歌歌手三丘翔太(27)がこのほど、17日に発売した両A面の新曲「よこはま埠頭/そんなもん人生」の発表会を都内で開いた。

会場にはトータルプロデュースした、お笑いタレント友近(48)扮(ふん)する演歌歌手水谷千重子も駆けつけて、抽選で選ばれたファンクラブ会員50人とともに三丘の熱唱を見守った。

コロナ禍でファンクラブのイベントは2年5カ月ぶり。16年1月のデビュー曲「星影の里」をはじめ、シングル発売されたオリジナル曲を披露した三丘は「久しぶりに生身の動いていらっしゃる皆様(ファン)とご一緒できました(笑い)。拍手をいただいてジーンと来ました。今月30日には28歳の誕生日を迎えますが、あんまりうれしい年ではなくなってきました。来年1月からデビュー7年目になりますので、ラッキーセブンで一旗揚げて、皆様に恩返しをしたいと思っております」と笑顔を見せた。

ここでサプライズで、ド派手な衣装の水谷が登場。「どうも、吉永小百合です。バカ言ってる(笑い)」と得意のせりふで笑わせた。

新曲は、ともに三丘の師匠の作曲家・水森英夫氏(72)の作曲。「よこはま-」は、水森氏が歌手として76年に「たった二年と二ヶ月で」をヒットさせたが体を壊して77年に引退したため、お蔵入りになっていた楽曲に作詞家かず翼氏が新たな歌詞を付けた。

「そんなもん-」は水谷が作詞。この日、VTRでメッセージを寄せた水森氏は「歌詞の内容が好きなんだけど、長くてね(笑い)。だから3部構成にしてみました」と話した。

水谷がトータルプロデュースするきっかけは、三丘が「自信を付けたい」と希望したこと。三丘は「願いをかなえて作詞までしていただけた」。水谷は「昭和の感じがして、千重子も好き。今度、3時間くらいラジオ番組を一緒にやってみたいわね」と話した。

「そんなもん-」は、雨が降りだしそうな天気でイチかバチか傘を持たずに外に出て雨に降られてしまう、ついてない人生模様を、突き放してお気楽に生きるように説く内容。水谷は「自分だけが不幸だと思っても、意外とみんなそんなもん。3LDKに住んでいたって、結局は6畳の1間にいるだけ。焦ったって駄目って感じ」。三丘は「ケセラセラ(フランス語でなるようになるさ)っていうのがいいですね。最初の1行目から心をつかまれました」と話した。

「そんなもん-」を歌う時の衣装は緑色のスーツ姿。水谷は「私が選んで、素材はベッチンです」。胸元には緑色の巨大な枝豆形のちょうネクタイを締めるが、三丘は「僕は人生最後の晩餐(ばんさん)で食べたいものを選ぶと枝豆っていうくらい大好きなんです。それで、衣装さんが、お遊びで手作りしてくれたものなんです。この衣装にピッタリで選ばせてもらいました」。水谷は「面白い子」と笑顔を見せた。

水谷は、三丘について「こんなに若いのに雰囲気を大事にしている。声がすてきで、グッと世界観に入っちゃう。翔太ちゃんは昭和も平成も令和も表現することができる」と話した。

三丘が「僕は、こんな仕事をしているんですが引っ込み思案なんです。芸能界で長生きするにはどうしたらいいでしょうか」と質問。芸歴50年という水谷は「ネガティブでも、翔太ちゃんは、ちゃんとしっかりした何かがあるから、バーンと跳ねると思う。お客さんのとの空気感もホッコリしていて、千重子のこともすぐ受け入れてくれた」と話した。

今年1年を振り返って、三丘は「去年からのコロナ禍で、お客様の前に立つのが怖くなった。それじゃいけないとYouTube『三丘翔太ちゃんねる』で、生配信をするようにした。そうしたら会ったこともない人がファンクラブに入ってくれたり、違う可能性を感じることができました。来年は進化、変化できる可能性を感じさせてくれるのが『よこはま埠頭』と『そんなもん人生』の2曲。若手で演歌の時代を作りたい。コロナ禍でパワーをためていたいのを発散できれば」と話した。

28歳の誕生日の30日には、新曲発売記念のインターネットサイン会を開く。【小谷野俊哉】