俳優原田龍二(51)愛(48)夫妻の神前結婚式を取材した。愛が、いい夫婦の日にあたる11月22日に出版したエッセー本「別れない理由」(講談社)の出版会見に結婚式を合体させた、原田の所属事務所ならではのあっぱれな仕掛けだった。

以前も当コラムで書いたが、原田の事務所は長年、森卓一社長と原田の二人三脚で歩んできた。多くのタレントを抱えるような事務所ではないからこそできる、さまざまな仕掛けで原田の魅力を発信してきた。

二枚目俳優としてのキャリアはもちろん、日本テレビ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!笑ってはいけないシリーズ」で裸になってみたり、急に夫婦でCMに出演し、その発表会見を、不倫の謝罪会見と同じ会場で行ってみたり。どんな仕事も原田自身が一番楽しんでいるようにもみえて、なんでもできる“無敵状態”ともいえる存在だ。

スキャンダルに厳しい昨今の芸能界において原田は、2年半前の不倫騒動後も、あまり露出に変化がないまれな存在だ。結婚式の日の会見で、その理由について問われると「これもいつまで続くか分かりませんからね、ぼくの仕事は一歩先は闇ですから。どういうふうな仕事がこれから待っているのかもわかりませんし、たまたまぼくだけが仕事をいただいているというわけでもないと思います」と危機感は常に持っている様子だった。

その上で「良いことも悪いことも人それぞれタイミングで訪れると思うので、良いことも悪いことも起きている。その1つが2年半前の出来事だったというだけ。そこからどうなるかはその本人の持っている運とか努力も必要かもしれないですけど、支えてくださる方、ぼくにでもオファーをくださる仕事先の方たちとか、その1つ1つの仕事に対する向き合い方によって、いただいた仕事をやる、その1つ1つが評価に繋がっているのかな。大きな仕事小さな仕事に、同じ向き合い方、同じ気持ちでやってきたことで、いまここに立たせてもらっているということです」と説明した。

以前、不倫騒動後も山本漢方製薬の青汁「大麦若葉」CMに起用し続けた同社山本社長は「原田さんは、現場でみんなと楽しく仕事をしていただきます。うちも企業ですから、契約解除というのが当たり前の判断ではあるんですけど、あれで解除になるのは、あまりにも寂しいし、何とかならないかという思いから(広告会社の)博報堂さんとも話をしました。カメラが回っていないところでも楽しく、期待以上の仕事をしてくれるので、その思いに応えたいというか、何とかしてあげたいという思いでした」と話していた。

これまで原田を4度取材したことがあるが、質問すると、必ず笑いのエッセンスを交えて、真っすぐ目を見て答えてくれる。原田と一度でも仕事をしたことがある人は、その人柄に魅了されるだろう。

結婚式の“引き出物”は山本漢方製薬の青汁「大麦若葉」だった。何から何までしゃれが効いている。【佐藤成】