来年デビュー60周年を迎える堺正章(75)が3日、ブルーノート東京で、2年ぶり4度目となる「プレミアムライブ2021」を行った。62年にザ・スパイダースに加入してボーカルを担当。今回はそのグループサウンズの名曲ばかりを集め「ブルー・シャトウ」(ブルー・コメッツ)「花の首飾り」(ザ・タイガース)「亜麻色の髪の乙女」(ヴィレッジ・シンガーズ)などのほか、アンコールでは自身のヒット曲「さらば恋人」「街の灯り」など全11曲を披露した。

GS曲を集めたことに「仲間たちも随分お亡くなりになって悲しい思いをした。しのんでというかGS復活祭をやろうということになりました」。かつてのライバルの楽曲は「その当時は何でこんな曲がヒットするのかと思っていた」が、今回は「年月がたち仲間になったんですね」と自身が好きな曲を選んだという。

前日2日にも2公演を行ったが、今回のために用意したオリジナル曲「仲間たちよ」を、トークが盛りあがりすぎて披露するのを忘れてしまったという。「久しぶりのステージが楽しくて。トークが長引いてしまい、歌うのを忘れてしまいました。すごくいい曲で、練習してきたんですけど」。

今年のプレミアムなことを聞かれ、日本画家高山辰雄氏の「少女」という作品を手に入れたことを挙げた。「長年の夢がかない、頑張ろうと思える作品」としながらも、来客者が誰も気付かないと明かし、笑わせた。今年の漢字1文字は「止」。来年は「『動』になって欲しい」。60周年には「若いころは未来に生きようと、過去を振り返るのはやめていましたが、ここまで来られたのは、皆さんのおかげです。感謝の気持ちをこめて両手を合わせたい」。【竹村章】