伴優香(28)が4日、東京・池袋シネマロサで行われた映画「アリスの住人」初日舞台あいさつで、澤佳一郎監督に感謝した。

「アリスの住人」は、事情があって家庭で生活できない子どもたちを、里親や児童養護施設職員など経験豊かな人が養育者となって家庭に迎え入れて養育する、里親制度を発展させて08年から施行した制度「ファミリーホーム」と児童虐待がテーマ。澤監督が、自身の家庭内で起きていた父と祖父の暴力などを盛り込み原案、脚本、編集まで務めた。

伴は劇中で、単身赴任から帰ってきて母や弟に暴力をふるった揚げ句、体調を崩して入院した父に心を開けず、会話も出来ないでいる元ファミリーホーム住人の白戸多恵を演じた。澤監督は壇上のトークの中で「本編に映る、伴さんが演じる白戸多恵は、伴さんの人生を投影しています。だから、本当にあったことですし、伴さんの過去になります。その話をお伺いして、脚本に取り入れる時も、書いて良いかなと(聞いた)」と説明した。

その上で「勝手に、いいかげんに想像してはいけない部分だったので、ちゃんとどういうことがあったのか、話したくないかも知れないけれど、ちゃんと聞くことが大事だと思ったし、伴さんも心を開けずに僕に話せなかったら、多分、役はなかったかもしれない」と振り返った。

伴は「最初、やっぱり(自分の実体験を)話すことに抵抗はあったんですけど、監督って『大変だったね』とか、すごく肯定しながら話を聞いてくれる。その言葉で、どんどん心を開かされて全部、話しちゃった」と澤監督の心のこもった取材で心を開くことが出来たと語った。その上で「台本を読んだ時に、大きいところだけを台本にするんじゃなく、私がふと、ポロッと言ったことも台本にしてくださって、すごく細かいところまで聞いてくれたと思い…ありがとうございます」と感謝の言葉を繰り返した。

伴は「本当に初日で満席って…テンションが上がっているんですけど。まだまだ小さい映画なので、お力を貸してください」と客席に呼びかけ、ピースサインを見せた。