「まーちゃん」ことモーニング娘。’21佐藤優樹(22)が13日に東京・日本武道館で行われたコンサート「佐藤優樹卒業スペシャル」でグループとハロー!プロジェクト(ハロプロ)を卒業した。

ハロプロメンバーの卒業公演では珍しく、手紙を読むなどの特別なセレモニーが行われなかった。佐藤の「通常通り公演を終わらせたい」という意志が強く、制作側もその思いを尊重したという。

グループとしても2年ぶりの単独公演ということもあり、ファンも待ちに待った舞台だった。佐藤は中盤に曲の途中にアドリブで「握手会休んじゃったり、ブログ更新しなかったりしてごめんなさーい!」と挟むなど、“ワールド”全開だった。

メンバーカラーのエメラルドグリーンのストーンがちりばめられた黒いレースの卒業衣装を着て出てきた際のMCでは、しめっぽい雰囲気になるかと思いきや「聞いてください! あのこの前ー、妹にみそ汁作ってあげようと思って、みそ汁作っていたんですけど、母が作ってくれた味に全然ならなかったんですよ。で、妹に半切れで、『母が作ってくれるみそ汁と全然違うんだけど』っていったら、次女が、『まーちゃんこれぬか床だよ』っていわれて。ぬか床とさ、みその違いってちょっとわからなくないですか?」となかなか理解に苦しむ導入で話し始めた。

会場に若干困惑気味な空気が流れても、佐藤は構わず「そんな感じの会話を1カ月前にしたんですけど、約1カ月後の今日、もうこのステージで、日本武道館のこのステージで、一面エメラルドグリーンに囲まれて、久しぶりのコンサートでこんなに幸せな時間を本当にありがとうございました」と続けていた。

最後までみそ汁についての伏線回収がないまま、コンサートは終わった。

コンサート最後に「またいつか会える日までね! ばーい!」と言い残して会場を後にしたかと思ったが、余韻に浸りつつ、規制退場のために観客が会場に残っていると、佐藤は再びステージに出てきて「ほら立って。なんでまだいるの? もう私帰るよ? 私、シンデレラになるんだから。ばーい」と騒いで去っていった。

一見めちゃくちゃなように見えるが、ファンはそんな「まーちゃん」を愛してやまない。「まーちゃんだから」で全て解決している空気が会場には流れていた。どこか放っておけないような「まーちゃん」に夢中なのだろう。

佐藤は途中、「皆さんのすてきな笑顔がたくさんみられてとっても楽しかったんですけど、(ダンスの)振りをたくさん間違えてしまったので、次のコンサートに生かせるようにがんばっていきたいので、またコンサートに遊びに来てくれますかー?」と呼び掛けていた。グループを卒業しても、佐藤のパフォーマンスからは目が離せない。

同コンサートは、47都道府県に香港、台湾を含めた137スクリーンでライブビューイングが行われ、ハロプロ公演史上最大の3万3000人を動員した。多くのハロプロOGや著名人も会場に足を運んだ。佐藤のパフォーマンスには、それだけの人を動かすパワーがあった。【佐藤成】