昨年3月に新型コロナウイルスで亡くなったザ・ドリフターズ志村けんさん(享年70)の生きざまを描くフジテレビ系ドラマ「志村けんとドリフの大爆笑物語」(12月27日午後9時)の放送を前に、志村役を演じる主演の山田裕貴(31)らが取材に応じた。

山田は「話し方やコントの時の間だったり、いろんなことに気を配りました。皆さんの中でドリフターズがよみがえるような映像を届けられるんじゃないかと思います」と話した。志村への思いもはせ、「今回のコロナで志村けんさんは亡くなってしまったんですけど、こういうご時世、この世界になって苦しんでいる人の苦労みたいなものを思いっきり笑いで吹き飛ばせられれば」と語った。

主役の重圧に悩んでいたことも明かした。「みなさんの心の中にある志村けんさんにどれだけ近づけるのかと本当にずっと考えていた」といい、「それを見ない日はないという生活を送った」とドリフターズのDVD映像を徹底的に研究した。撮影中は自宅での酒量も増え「こうやってお笑いのことを考えていたから志村さんもお酒が好きだったのかなとか。こうやって日々生きていたのかなというのは気づけたというか、少しは近づけたんじゃないかと思いました」。

大先輩からの言葉にも救われた。あるコントシーンの撮影では「どういう表情にしようとか、いろんなことを考えながらカメラの裏をうろうろ歩いていた」。すると同シーンで共演したダチョウ倶楽部の肥後克広(58)からスタッフを通じ「志村さんもああやってたよ。安心して良いんだよ」とメッセージが届き、「その言葉で安心しました」と撮影を乗り切った。

ドラマでは04年に72歳で亡くなった、いかりや長介さん役を遠藤憲一(60)、加藤茶(78)役を勝地涼(35)、高木ブー(88)役を加治将樹(33)、仲本工事(80)役を松本岳(28)が務める。山田の姿については掛け合いの多かった勝地も「(山田の)熱量に引っ張られた」と語り、加治も「監督から聞いた話ですけど、最初のコント練習の時、(緊張で)山田裕貴の目がバッキバキだったと言っていました」。松本は「山田さんと勝地さんの掛け合いは日をまたぐごとに早くなっていくというか。ここで僕がミスしたらどうしようという緊張感はものすごかったです」と振り返っていた。

物語は、志村さんがコメディアンになることを決意し、高校卒業間際の1968年(昭43)にバンドの坊や(付き人)としてザ・ドリフターズに携わるところから始まる。74年にメンバーとなって90年代までの、想像を絶するような過酷なスケジュールや、人気の裏に隠された挫折と苦悩、葛藤を描く。TBS系「8時だョ!全員集合」や、フジテレビ系「ドリフ大爆笑」の数々の爆笑シーンも再現される。脚本・演出は映画・ドラマ「今日から俺は!!」などで知られる福田雄一氏(53)が務める。