「第34回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」で初の10代、史上最年少で助演女優賞を受賞した清原果耶(19)のインタビューを担当した。

民放ドラマ初主演となる、TBS系「ファイトソング」の撮影で忙しい中、対面取材の機会をいただけた。弊社主催の映画賞取材ということで、授賞式、スチール撮影、動画用インタビューなどもあり、スチール撮影、インタビューで終わる平時のインタビューより、長い時間対面取材する事ができた。

これまでの作品では、落ち着いた役や、バックボーンを持った、どちらかというと笑顔があまり見られない重役を演じる機会が多かった印象だ。受賞のきっかけとなった「護られなかった者たちへ」でも、震災後の宮城県で生活保護受給者のケースワーカーという難役を演じた。

21年のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」でもヒロインを務めた若きホープ。現在19歳だが、19歳とは思えない発言や落ち着きを併せ持つ。そんな清原に対して、「護られなかった-」で主演を務めた佐藤健も「主演作品を10本くらいやってきているくらいの貫禄をもっている」と、イベントで話したほどだ。だがインタビューをしてみて、清原の温かい人間性に何度も驚かされた。

取材部屋に入って来たときから、柔らかい笑顔だった。表彰状授与の際、原稿をかんでしまい仕切り直しになった時も「全然大丈夫ですよ。2回もおいしい思いができるので」と、ニッコリ笑顔でフォローしてくれた。

インタビュー中盤に、夕日が清原の顔にかかってしまい、謝罪すると「大丈夫ですよ、日光浴ですね」。大阪府出身。切り返しの早さに加え、そのワードセンスに驚いたが「あんまり関西っぽくないって言われているんですけどね」と笑顔だ。

終始驚くほど冷静で、1つ1つの回答がしっかりしすぎていた。たしかに佐藤が話していたように、19歳とは思えない部分もあった。本人いわく「緊張して動けなくなっているだけ」だというが、それだけではない気がした。

スクリーンを通して、“役を生きる清原果耶”ではなく、“19歳の清原果耶”を感じられる場面も多かった。はまっている食べ物を聞くと「蒸しパン」と恥ずかしそうに回答。21年の自分に賞をあげるなら「頑張ったで賞」とニッコリ。その直後、同席したマネジャーに「いいですか?」と、いたずらっぽく確認。重厚な役であまり見せなかった、その19歳らしい笑顔も忘れられない。