ギタリストの布袋寅泰(60)が1日、都内で映画「Still Dreamin’-布袋寅泰 情熱と栄光のギタリズム-」(石田雄介監督、4日公開)完成披露プレミア上映会に出席した。

映画の舞台あいさつや試写会などに登壇するのは、久々となった。この日が誕生日で還暦を迎えたとあって、司会のクリス・ペプラー(64)から花束を贈られると「まさか自分が60歳の声を聞くなんて想像できなかったんですけど。うれしいね、こうして皆さんと同じ空間を過ごすことができて」と喜んだ。

アーティスト活動40周年を迎えている布袋の軌跡に迫ったドキュメンタリー。2年前から構想があったといい「最初はちょっと待ってと。自分の歴史が伝えられるものになっているのか。気恥ずかしい感じもした」という。それでも「監督が丁寧に僕のヒストリーに向き合ってくれて。そうか、全てはこういう風につながっていたのかと。1人でも多くの人に見てもらいたいと思う作品に仕上げてくれました。1回見ると、もう一度見たくなりますよ」とアピールした。

この日発売のアルバムとともに、タイトルには「Dream’n」を入れた。言わずと知れたBOφWYの代表曲のタイトルでもあるが「当時は自分たちは自分らしくいようという意味だったんだけど、いろいろなものを受け入れたりする中で夢も変わってきた。でも結局、ずっと夢の話をしているなと。人間、夢を語っている時が1番輝いていると。『Still』をつけて、継続するという夢の力を描けるんじゃないかと思いました」と話した。

コロナ禍と重なったことで、当初の予定とも構成は変更したというが、昨年8月に東京・国立競技場で行われた「東京パラリンピック」の開会式に出演したのもその1つ。「守秘義務があって、監督には事前に伝えられなかった。2日後に監督に会った時には、人生のある意味でのクライマックスだったから撮りたかったと(笑い)。でも妹にも言えませんでしたから」と笑顔で明かした。

同閉会式以降は、拠点としている英国には戻っておらず「家族とも7カ月会ってない」という。それでもアルバムをひっさげて、5月からは全国ツアーも予定している。「10年間英国でチャレンジして、ワールドツアーが実現しそうなタイミングで(コロナ禍で)白紙になってしまった。それでも、俺の生まれた国で、俺らしい場所でもう1歩踏み出せるのは楽しみ。PAUSE(一時停止)していたワールドツアーの夢に向かって、また頑張っていきたい」と気持ちを新たにしていた。