落語協会(柳亭市馬会長)の新真打ち、美るくあらため三遊亭律歌、春風亭ぴっかり☆あらため蝶花楼桃花、鈴々舎八ゑ馬あらため柳家風柳、林家はな平が先日、昇進会見に臨んだ。本来ならパーティーが開催予定だったが、新型コロナの感染状況を鑑みて、会見だけの開催となった。

律歌は、隣に座る師匠三遊亭歌る多のことを「厳しい」と連発。司会者にも師匠にもつっこまれると、余計に「厳しい師匠の元から離れる」と強調してしまい、最後まで笑わせてくれた。新たに名乗る名前の由来について「厳しい師匠がいなくなるので」とまた笑わせたが「自分を律するために『律歌』に決めました」。笑いの中に覚悟を感じた。

桃花は師匠春風亭小朝に育ててもらったことを振り返るうちに涙した。「小さく挫折をしつつ、何にもなくなった状態の私を取って育ててくれたことに感謝しています。ずっと尊敬し続けさせてくれる師匠が大好きです」。いつも笑顔が印象的で、泣き顔は初めて見た。

それぞれが師匠への尊敬を語り、師匠も愛あるエールを送った。落語界は依然厳しい状況が続くが、新真打ちの明るさにホッとした。

披露興行は3月21日から、上野・鈴本演芸場を皮切りに新宿末広亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、国立演芸場と続く。【小林千穂】