水谷豊(69)映画監督作第3弾「太陽とボレロ」に、19年の同第2弾「轢き逃げ 最高の最悪な日」に出演した、檀ふみ(67)が出演する。製作と配給の東映が28日、発表した。

檀ふみは「水谷組とは前作『轢き逃げ』で、大変気持ちよくお仕事ができましたので、再度のオファーに感激いたしました。水谷監督はすでに名監督でいらっしゃいます」とコメントした。

檀ふみは劇中で、主演の檀れい(50)が演じる花村理子の母親・頼子を演じる。「今回は、地方のオーケストラのお話。クラシック音楽は私の大好きな分野ですし、とても近しく感じられました。私の役柄は、理子の母親。根底には『愛』があることを忘れないようにしようと思い演じました」と役どころを語った。

水谷監督については「撮影現場は、前回と同じく、的確、明快、チームワークも良い、気持ちのよい現場でした。水谷監督は頭の中に、きちんと絵ができあがっていて、いつも指示がはっきりしていて、迷いがない。役者として、理想的な現場がそこにはできます。すべての登場人物になりきる才能もお持ちなので、演技指導力も抜群です! 安心してすべてをお任せできました」と、その演出力をたたえた。

檀ふみ以外の追加キャストも発表された。理子が地元で主宰し、存続に奔走する弥生交響楽団のオーボエ奏者・牧田九里郎役を田口浩正(54)が演じる。ホルン奏者・遠藤正道役を「監督作品で初めてご一緒でき、感激しました」と語る、田中要次(58)が演じる。フルート奏者・池田絹役を藤吉久美子(60)が演じる。

さらに気楽なコントラバス奏者・吉村益雄役を六平直政(67)、老舗呉服屋の御曹司で副指揮者の片岡辰雄役を河相我聞(46)、チェロ奏者の与田清役を原田龍二(51)が演じる。

そして、資金不足に悩む理子に忍び寄る怪しいアパレルバイヤー畑中善行役を、山中崇史(51)が演じる。山中は、テレビ朝日系で02年にファーストシーズンが放送された水谷監督の代表作「相棒」で本格映像作品デビューし、水谷監督の初監督映画となった17年「TAP THE LAST SHOW」から3作全てに出演。「僕は水谷組の3作品に全部出演しているので、この記録を伸ばせるよう今後も頑張ります」と意気込んだ。

水谷監督は「設定がアマチュア交響楽団なので、楽団員役の役者さんには撮影前に、1人ひとりの仕事や家族構成を伝えて、役のイメージを膨らませてもらいました。撮影現場では、僕がこういうキャラクターにしたいなと思う気持ちと、実際の役者さんが持っている魅力を両方合わせていく作業でした」と俳優陣と役を作る、共同作業の一端を明かした。その上で「楽団メンバーの皆さんをはじめ、主人公・理子の母親役を快諾してくれた檀さんや、軽妙な演技で、作品に良いアクセントをつけてくれた山中さん、個性豊かな方たちに集まっていただき、楽しく撮影することができました」とコメントした。