ダンサーで俳優の生島翔(36)が、4月1日から京大大学院工学研究科の都市社会工学専攻の研究員と二刀流になることが21日、分かった。

晴れて合格証を受け取った生島は「合格できるかどうか不安だったので、ヤッター! という感じでした。前々から、研究する内容には興味があったので。1年で下地を作り、3~5年で博士号を取れるよう努力精進します。もちろん、芸能活動も頑張ります」と話している。

生島の掲げる研究テーマは「芸術まちづくりに関する実証的実践的研究」。「地域活性化と芸術文化、エンターテインメントをつなげるといった内容を勉強するんですが、実践を用いたアクションリサーチを論文にまとめていきます」と説明している。

京大大学院進学は、交通都市の世界的権威のジャネット・サディク=カーン氏というパワフルなアメリカ人女性との出会いがきっかけ。サディク=カーン氏は「NYを変えた女性」と言われ、現在は全米都市交通担当官協会(NACTO)理事長。マイケル・ブルームバーグ市政下における2007~13年のニューヨーク市交通局長を務め、タイムズスクエアの歩行者空間化や400マイルにも及ぶ自転車レーンの敷設延長など多数のプロジェクトを手掛けた。ニューヨーク市における公共空間の創出に改革を起こしたことで知られている。

サディク・カーン氏が来日して、生島が特別研究員として参加していたIATSS(国際交通安全学会)のシンポジウムが19年春に開催された。生島は得意の英語を駆使して親しくなった。

「交通のことは何もわからず持ち前の言いたいことを英語でしゃべっていたら、すごく気に入られて。会合が終わった後のご飯にも誘われ、携帯番号を聞かれたりもしたんです。そして“IATSSにも若い風を入れなさい”ということになって、IATSSのメンバーでもある藤井聡京大大学院工学研究科教授の下で本格的に勉強したいと思いました」と話している。

3月8日には「余韻都市~ニューローカルと公共交通」(鹿島出版会)の著者・中村文彦東大特任教授(59)の出版記念シンポジウムにも参加。中村教授からは「彼は会議に真面目に参加してくれています。若い力で、一緒にIATSSを盛り上げて欲しいです」とエールを送られた。

IATSSは4月8日午後2時から、21年度に実施した研究調査プロジェクトの中から、特に成果が認められたテーマについて広く社会・一般に向けて報告する「研究調査報告会ならびに学会賞贈呈式」を開催する。

◆生島翔(いくしま・しょう)1985年(昭60)7月28日、東京生まれ。暁星中を卒業後、高校から米国留学。ニューヨーク大学ティッシュ・スクールオブジアーツを3年で卒業後、ドイツ・カッセル州立劇場とソリスト契約。準主役に抜てきされた18年の米映画「Darc」はNetflixで190カ国に配信され、ハリウッドデビューを果たしている。元TBSアナウンサーの生島ヒロシ(71)の次男で、兄は俳優の生島勇輝(37)。株式会社「034productions」代表取締役。兄勇輝とともに「みなと気仙沼大使」に任命されている。171センチ。