創業110周年の吉本興業は4月2、3日に明石家さんま、ダウンタウン、桂文枝、西川きよしらオールスターが出演する「伝説の一日」を、本拠地の大阪・なんばグランド花月で行う。両日4公演を予定していたが、観劇チケットは完売。オンラインチケットの販売を始め、東京・ルミネtheよしもと、京都・よしもと祗園花月など各劇場ではライブビューイングも決まった。広がる“伝説”にちなみ、未来のレジェンドを目指す若手5組に「俺の伝説」を聞いた。5日連続で1組ずつ紹介する。

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ヘンダーソンは4月3日午後3時開演分で、「伝説の一日」ライブビューイング大阪会場の盛り上げ役を担う。

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ヘンダーソンの子安裕樹(35)と中村フー(34)にとって、伝説といえば-。ダウンタウン松本人志だという。

2人が小学生になるか、ならないかの時に「ダウンタウンのごっつええ感じ」(フジ系)の放送が始まった。子安は兵庫県、中村は大阪府で、それぞれテレビの前でくぎ付けとなり、独創的なコントに圧倒された。

「僕はまだ子どもでしたが、とにかく夢中になりました。ビデオに録画して、何度も何度も見返しました。何年たっても色あせない、いま見ても笑えるコントです」と子安は絶賛する。

中村も「松本さんは天才。漫才、コント、ピンのトークも何でもできて、すごすぎる。(相方の)浜田さんとの信頼関係も見ている側に伝わるし、すごい人としかいいようがない」。

仕事のうえでは、あこがれの松本とは共演した経験がほとんどなかった。そんな中村に今年の正月早々、夢のような機会が訪れた。たむらけんじの仲介で松本と食事をともにすることができたのだ。

「その日は緊張でガチガチでした。その僕に『気い使わんでええから』と気をかけてくださって、吉本の後輩やMー1グランプリのことなど3時間、いろいろお話を聞けました。想像していたよりもシャイな方なんだと気づきました」

新年とあって中村は、松本からお年玉をプレゼントされた。うれしかった。何を買おうかと迷った末、新しいメガネを買った。「僕もメガネ芸人の1人ですし、あれからずっと大事に使わせてもらってます」。

トレードマークの「後出し漫才」を武器にMー1グランプリでは昨年、初めて準決勝進出した。松本が審査員を務める決勝まで、あと1歩。「今からMー1目指して仕上げていきます」と誓った。

子安は「ダウンタウンさんはじめオールスター総出演の『伝説の一日』に僕らも関われて、うれしく思ってます」と意気込む。

あこがれの大先輩へ、M-1の舞台での恩返しを誓う。【三宅敏】

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◆ヘンダーソン 子安裕樹(こやす・ゆうき)は1986年(昭61)7月28日、兵庫県生まれ。中村フー(なかむら・ふー)は87年8月21日、大阪府生まれ。08年結成。22年上方漫才協会大賞・文芸部門賞受賞。

 

◆吉本興業創業110周年特別公演 伝説の一日(4月2、3日=大阪・なんばグランド花月) 両日ともに4公演ずつ、計8公演。所属6000人の吉本興業からさんま、ダウンタウン、文枝、きよしらオールスターが総出演する。両日とも3回目までは寄席興行で、ダウンタウンも生でNGKの舞台に立つ。ともに、夜の4回目は「さんまの駐在さん」上演が決まっている。

座席チケットは完売しているが、オンラインチケットは販売中。各劇場でライブビューイングも予定しており、その実施劇場は以下の通り。

▼ルミネtheよしもと▼ヨシモト∞ホール▼神保町よしもと漫才劇場▼よしもと有楽町シアター▼大宮ラクーンよしもと劇場▼よしもと幕張イオンモール劇場▼沼津ラクーンよしもと劇場▼クール・ジャパン・パーク大阪TTホール▼よしもと祇園花月▼よしもと福岡大和証券/CONNECT劇場▼よしもと沖縄花月