テレビ朝日の定例社長会見が22日、都内の同局で行われ、社長を兼務する早河洋会長が出席し、同局社員の逮捕や、前社長亀山慶二氏の辞任について言及した。

早河会長は本年度を振り返り「昨年の夏から不祥事が相次ぎ、逮捕者を出してしまいました。不祥事の原因を調査する過程で前社長の不適切な行動が判明し、辞任する事態になりました」とし、「コーポレートガバナンスが厳しく問われた1年だったと思います」と話した。

会社経費の私的使用が発覚し、退職した亀山氏の1件により「取締役の監視義務を果たせなかったことなどの責任を痛感致しまして、私と吉田(慎一)テレビ朝日ホールディングス代表取締役社長、スポーツ担当の浜島(聡)常務の3名は、4月から6月までの3カ月、報酬の10%をそれぞれ自主返上することに致しました」と明かした。

◆テレビ朝日の最近の主な不祥事など

▽2021年

◆20代女性社員が店の外に転落 東京五輪閉会式が行われた8月8日夜に、同局番組スタッフが緊急事態宣言下にあった東京・渋谷で10人の飲酒会合を開催。翌9日未明にスポーツ局女性社員1人が誤ってカラオケ店2階窓から転落、左足の骨を折るなどの重傷を負った。搬送された1人を含むスポーツ局社員6人を、10日間の謹慎処分とした。

◆男性社員が窃盗および住居侵入の疑いで警視庁麻布署に逮捕 ビジネスプロデュース局に勤務する男性がワイヤレスイヤホンを盗んだとして、警視庁麻布署に逮捕されたと、8月19日、同局が発表した。

◆情報番組「大下容子ワイド!スクランブル」の不適切演出 同番組内にある「視聴者からの質問にお答えするコーナー」で、昨年3月以降、事前に番組側が用意していた質問が視聴者からの質問として放送された事例が10月21日、見つかった。同局は、番組のチーフプロデューサーとプロデューサーの減給1カ月、情報番組センター長をけん責処分とした。放送倫理・番組向上機構(BPO)は11月にこの件の審議入りを決めている。

▽2022年

◆男性社員、詐欺容疑で逮捕 セールスプロモーション局ソリューション推進部長が経済産業省の「IT導入補助金」を不正受給したとして2月8日、大阪府警が詐欺容疑で逮捕した。

◆2月10日、亀山氏による会社経費の私的使用が発覚し、退職。

◆男性社員、詐欺容疑で逮捕 経済産業省のIT導入補助金を不正受給したとして3月1日、詐欺容疑で大阪府警に逮捕された。