モデルで女優の桃月なしこ(26)が、初のフォトスタイルブック「PEACHY」(光文社刊)を発売し、日刊スポーツの取材に応じた。類い希な美貌を持ちながら、どこかリアリストな一面もかいま見せる、その素顔に迫った。【聞き手=大友陽平】

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“女の子の憧れ”として、念願のスタイルブック発売となった。

「ファンの皆さんの声が大きかったことで、こうして形にすることができたので、お待たせしましたという気持ちと、ありがとうございますという気持ちでいっぱいでございます」

初のフォトスタイルブックでは、さまざまな企画を実施した。企画会議から自ら携わった。

「他のメディアではできないようなこと、見られないようなことを本当にたくさんやっています。ただ、普段からSNSとかでいろいろ言ったりしているので、これまで出してないことって何だ? というところから、自分の好きなことって? みんなに見てほしいものって? 求めてることは? というところから始まりました」

「私という存在のすべてをこの一冊にさらけ出した」という1冊。“ガチ”で自宅の部屋も公開し、こだわりの家具なども紹介。さらにグラビアでは、“ほぼすっぴん”な姿を披露している。すっぴん公開に「抵抗はなかったか?」と聞くと、小声で「あります…。出したくなかった…。恥ずかしい!」。

それでも「今までたくさんグラビアもやらせていただきましたけど、そろそろ見飽きた方もいらっしゃるかもしれませんし…。今までのグラビアでは見たことないようなシチュエーションでの撮影になってるので、見飽きた方も、戻ってこられると思います! もう、何も隠すことがない! あとは住所と電話番号、本名ぐらいです!」。

幼少期から、芸能界に興味があったわけではなかった。どちらかというと「はやり廃れもあると思いましたし、不安定な職業なんだろうなって。その道を選ぶ選択肢は、私にはなかったです」という。

高校時代に、友人に誘われてコスプレイヤーとしての活動を始めたが、一度は准看護師の道に進んだ。“かわいすぎるナース”として話題となり、コスプレでスカウトされたことをきっかけに、芸能界に入ることになる。

「看護師は副職禁止だったので、どちらかを取らないといけないってなったんですけど、資格を持っていたら復職はできるので、若いうちにしかできないことをやってみようと、芸能界に入りました。最初は2年ぐらいで戻ろうというくらいの気持ちだったんですけど、今では、こっちの道で食べていきたいなという気持ちになっています。そもそも(地元の愛知)豊橋を出る気が1ミリもなかったので…。今となってはこの仕事を選んで上京してきて良かったと思います。自分でもよく選んだねって感じです(笑い)」

今ではツイッターで41・1万人、インスタグラムで46・9万人以上のフォロワーを持つ人気者で、自らも「武器はSNS!」と話すが、“数字”には敏感だ。

「写真集もそうですが、今回のスタイルブックも、私1人の数字として残るので…不安もあります。常に数字しか気にしてないので(笑い)」

20年には「魔進戦隊キラメイジャー」でヨドンナ役を演じるなど、演技にも挑戦しているが、その考えもどこか現実的で「日々、どうやってこの業界で長生きできるかを考えてます」と笑う。

「ずっと求められ続ける人間になりたいんです。今は若さで何とかなるところもあると思うので、その武器がなくなるまでにスキルをしっかり身につけて、仕事ができるようにしていたいなというビジョンがあります。芸能界で生き抜くためにはやっていかないといけないですし、最終的にはおばあちゃん役ができるくらい、女優として長生きしていたいなと思います」

今後、どんな道を歩んでいくのか、楽しみな存在だ。

 

◆桃月(ももつき)なしこ 1995年(平7)11月8日、愛知県生まれ。高3年から地元を中心にコスプレイヤーとして活動。准看護師をへて、現在の事務所にスカウトされてデビュー。19年11月号から「bis」レギュラーモデル。20年、「魔進戦隊キラメイジャー」ヨドンナ役など、女優としても活動の場を広げる。同年11月に初の写真集「未完」発売。160センチ。スリーサイズB84-W60-H87センチ。