先月末に行われたアカデミー賞授賞式で米俳優ウィル・スミス(53)に平手打ちされたコメディアンのクリス・ロック(57)が先週末、米カリフォルニア州パームスプリングスで行われた自身のコメディー公演で「報酬をもらわないとあの件については話さない」と語っていたことが分かった。

スミスの妻の容姿をジョークのネタにしたことを発端に起きたビンタ騒動は世界中に衝撃を与え、スミスは今月1日にアカデミー退会を表明。8日にはアカデミーが理事会を行い、今後10年間アカデミー関連のすべてのイベントへの出演を禁じる処分も下されている。

地元メディアのデザート・サン紙によると、自身の公演で「まだ処理しているところ」と述べるにとどまり沈黙を貫いているロックが9日の公演で、「私は大丈夫。ショーは予定通りやるけど、あの件については報酬をもらわないと話さないよ。人生は良いもの。聴力も戻ったよ」と観客に向けて語ったという。ロックの発言の意図は不明だが、事件直後に行われた公演では「いつか話す時がくるでしょう。それはシリアスで、面白くなるはず」と語っていたことから一連の騒動についてコメディーにする可能性が取り沙汰されている。ほかにも記事として出版したり、テレビの独占インタビューに応じる可能性もあり、どのような形で騒動について自らの言葉で説明するのか注目が集まっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)