阿部寛(57)が15日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた主演映画「とんび」(瀬々敬久監督)公開御礼舞台あいさつで、観客の女性から「気になっている人がいますが、顔が濃い。どうやったら振り向いてもらえますか?」と聞かれ、メークを濃くするよう、勧めた。

まず安田顕(48)が「顔の浅い人からいきましょうか。何だろうね?」と考え始めた。すると、阿部が「顔の濃い人って結構、同類を好む。メークを濃く…同じ種族だとホッとする」と笑った。その上で「以前、外国の人のものをやった時、今も集まって傷をなめ合う…答えになっているか分からないけれど」と苦笑した。

阿部は12年の映画「テルマエ・ロマエ」、14年「テルマエ・ロマエ2」に主演し、古代ローマの浴場設計技師ルシウスを演じた。「テルマエ・ロマエ」では北村一輝、市村正親、宍戸開と顔の濃い俳優陣が出演していることで話題となったが、両作品ともに舞台あいさつ時に「日本一濃い顔の俳優選手権」が行われ、第1回は北村、第2回は阿部が王者に輝いた経緯がある。

阿部が「若干、濃いめにいこう…そうすると」と呼び掛けると、女性は「早速、明日からメイクの時間を頑張って延ばそうと思います!!」と約束した。

「とんび」は、重松清氏の同名小説の映画化作品。日本一不器用な男、ヤス(阿部)は、愛する妻美佐子(麻生久美子)の妊娠にもうまく喜びを表せない。幼い頃に両親と離別したヤスにとって、家族は何よりの憧れだった。時は昭和37年、瀬戸内海に面した備後市。アキラ(北村匠海)と名付けた息子のためにも、運送業者で懸命に働くヤスだったが、ようやく手にした幸せは、妻の事故死によって脆くも打ち砕かれる。悲しみに沈むヤスだったが、人情に厚い町の人々に叱咤(しった)激励され、彼らの温かな手を借りてアキラを育ててゆく。ある日、誰も語ろうとしない母の死の真相を知りたがるアキラに、ヤスはウソをつく。