俳優林遣都(31)、高橋克実(61)が6日、大阪市内で、舞台「セールスマンの死」(7、8日=ロームシアター京都)の取材会に出席した。

1949年にニューヨークで初演され、再演が重ねられてきたアーサー・ミラーの代表作。段田安則演じるウィリー・ローマンと、その家族の悲しいてん末を描く。ウィリーの兄ベンを務める高橋は、家族の関係を描いた物語に「家族のシーンは震える。自分の出番を忘れてしまうほど見入ってしまう」と語った。

林は、そんな家族の一員、ウィリーの次男であるハッピー役。「役を自分と重ね合わせてしまった」と明かした。

「(ハッピーとは)家族構成が似ている。兄は学生時代に野球をやっていて、僕にとってスターみたいな存在だった。父もすごく仕事人間で…」と共通点の多さを語った。

ウィリーの妄想と現実が入りまじる複雑な展開に、稽古中は苦労も多かったという。稽古場では、俳優陣から監督へ「これは現実? ウィリーの頭の中?」という質問も飛び交ったそう。ひとつずつ丁寧に確認し、舞台を作り上げてきた。

それゆえ、林は「場面転換が独創的で、これはどういった表現なんだろう-と、想像を楽しめるものになっていると思う」と自信を見せた。

作品の見どころについては、高橋が「子供を持つ親には特に刺さると思う」。林は「大変な世の中で、人が一生懸命生きている姿を見てほしい」と力強く話していた。【竹本穂乃加】