演歌歌手松前ひろ子(72)が16日、都内で、新曲「望郷酒がたり/留萌 人情 みなと町」の発売記念イベントを行った。

歌手人生53年で出会った2曲とも、故郷の北海道を舞台にした楽曲。発売初週のオリコン週間ランキングの演歌・歌謡曲部門で3位に入るなど好スタートを切っている。

「望郷酒がたり」は歌詞の「♪どんぶらこ」が繰り返されて、いつまでも耳に残るメロディーだ。「(娘婿の)三山ひろし君の小1の子どもに聞かせたら、1度聞いただけで『♪どんぶらこ』と歌った。そして『あーちゃん(松前のこと)、この歌いいよ』と。小さい子でも記憶に残る歌詞です。これから『どんぶらこのオバチャン』と呼ばれてもいいから、この曲を広めたい」とアピールした。

「留萌 人情 みなと町」の地元である留萌市も今月2日、松前を「ふるさと応援推進大使」に任命するなど町ぐるみでバックアップをしている。

夫の作曲家・中村典正さんが19年8月に83歳で死去。それまでの楽曲のほとんどを中村さんが手掛けていただけに「今回の楽曲はこれまであまりない曲調で、最初は不安もありましたが、今は歌えば歌うほど歌いがいがあります」と手応えを口にした。「パパには『ママ、いくつになっても頑張れ』と言われている気がします」。

再来年に55周年を迎える。「歌に精進をして55周年までしっかりと務めたい」。「祝いしぐれ」「夫婦草」などのヒットから「夫婦演歌の松前」と呼ばれる松前が、新曲で新境地を開いている。