放送批評懇談会は20日、4月度のギャラクシー賞月間賞を発表。TBSのドキュメンタリー番組「解放区」で4月3日に放送した「“ブラッド・ゴールド”~アマゾン先住民の闘い」が受賞した。

選評は「アマゾンの不法伐採・金採取の現実に久々の海外取材で迫る。大河を埋めるかのような不法砂金採取船の群れの映像は恐怖すら感じる。裏取りなどまではいけていないものの、ブラジルがここまで腐敗しているのだという実態の報告は鬼気迫る。採取に使う水銀による汚染に警鐘を鳴らす価値も高い」と高い評価を得た。

TBSのニューヨーク支局長の萩原豊ディレクターは「大変光栄に存じます」とコメント。「ムンドゥルク族をはじめ現地の方々は、年々加速するアマゾンの環境破壊に、極めて強い危機感を持っていました」と取材動機を語った。

その上で「『世界の人々に現実を見てもらいたい』と私たちの取材を受け入れてくれました。事態は想像以上に深刻でした。日本から見れば『地球の裏側』の出来事ですが、先住民の子どもたちに『ブラジルの水俣』と言われる健康被害が進み、また違法に採掘された『金』は世界に流通しており、決して無関係ではありません。この賞を機に、アマゾンで今起きている問題が広く伝わることを願っています」と話した。