尾上松緑(47)中村梅枝(34)が23日、都内で、国立劇場の7月歌舞伎鑑賞教室「紅葉狩」(同3~27日)の取材会を行った。

美しい姫が鬼に変身する人気舞踊で、松緑は鬼に立ち向かう将軍平維茂を演じる。06年に初めて同役をつとめ、本興行では3回目。松緑は「気品と貫禄のある役ですので、初役のころよりは貫禄ができたのではと思います。武勇に優れた役であるということが伝わればいいと思います」と話した。

長男左近が従者左源太を演じる。松緑も左近を名乗っていた90年に演じたことのある役で「非常に難しい役で、手も足も出なくて悔しい思いをしました」と振り返り、「息子にも役者人生の中で勉強していってもらいたい」と話した。

梅枝は、後に鬼に変身する更科姫を初役でつとめる。松緑に「梅枝さんは舞台度胸がピカいち」と言われると「頑張るしかない」と気を引き締めていた。

共演も多く、プライベートでも付き合いのある梅枝について、松緑は「気心の知れた仲。言いたいことを言い合える関係。一回り下ですが舞台でも頼りにしています」と言う。梅枝も「僕の中でも松緑のお兄さんは特別。胸を借りるつもりで精いっぱいつとめます」と応じた。